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資料整理もできちゃった?! デジタル化で解決できちゃうあれこれ。

資料のデジタル化を行うことで得るものには、どのようなものがあるでしょうか。

当然のことながらデジタル化作業により、資料の画像データを取得できます。また、仕様によっては書誌、目録、目次などテキストデータも取得できるでしょう。

画像データやテキストデータなど、デジタル化作業自体で直接的に取得できるものと、直接的ではありませんが、資料がデジタル化されることで幅広く利用に供されることにより、資料情報の価値の向上などの効果も得ることが期待されます。

でも、、資料のデジタル化を実際に行ってみるとデジタル化によって得られるものだけでなく、期せずして二次的に得られるものがあるようです。そして、それらのなかには資料保全上有効に利用できそうなものもあるようです。

今回は資料のデジタル化作業で得られるかもしれない、様々な副次的効果にスポットを当ててみました。

目次[非表示]

    1. 1.資料が整いました!
    2. 2.書庫内、書架も整いました!
    3. 3.傷んでいる資料が見つかりました!
    4. 4.書誌情報も整って、新しい発見も??
    5. まとめ


1.資料が整いました!

 デジタル化を行うためには、デジタル化対象資料を委託業者さんへ引き渡すことになりますが、資料を安全に引き渡すためには資料の個体管理が必須です。(●●●の資料が▲▲▲点あるということを確定する必要があります。)

引き渡す資料を確定させるためには、実際に資料を確認して資料の保管場所、資料の点数など正確な情報を取得することになります。

蔵書点検等で資料の把握が正確できていれば、これらの確認は比較的容易であると思います。

しかし、すべての所蔵資料に対して蔵書点検が行き届いていない場合には、デジタル化作業のための資料確認の際に、今まで保管場所が分散していたため点数の管理が煩雑になっている資料や重複保管していた資料、不規則に排架されていて所在不明だった資料が発見されるかもしれません。

デジタル化の為に資料を確認することで、資料を整えることが期待できます。


2.書庫内、書架も整いました!

デジタル化対象資料の確認のために資料が排架されている書庫・書架に立ち入る機会が多くなります。

それらの書庫・書架のなかには立ち入る機会が少ない書庫・書架に入ることになるかもしれません。久々に人が入ってみると、経路や書庫内の照明が切れている、書架の棚板に不具合があり部品が外れたままになっている、集密書架がうまく稼働しない、キャビネットの鍵が見つからない、壁にカビが発生しているなど、様々な異常を発見できる貴重な機会になることもあるようです。

出納が頻繁ではない書庫・書架は埃やゴミなどが溜まってしまっていることが多くありますので、書庫・書架に対して簡単な清掃を実施する良い機会になることも多いようです。

また、デジタル化対象資料を確認していたところ、本来書架で保管されるべきではないと思われる備品類が詰め込まれていたり、廃棄されるべきものがそのまま残っていたりといったことも見つけることができ、書庫において整理すべき事項を顕在化できるかもしれません。


3.傷んでいる資料が見つかりました!

資料において資料の一部が汚れてしまっている、破れてしまっているなど資料保存上支障をきたす事象を見つけるためには、資料を1枚ずつ確認する必要がありますが、限られた日常業務時間内で全ての資料に対してそのような確認を行うことは難しいのではないでしょうか。

デジタル化作業の工程には、スキャニングや撮影などで画像を取得する前におこなう「前整理作業」と呼ばれる工程があります。この工程では資料の状態を資料の先頭から最後まで1枚ずつ資料の確認を行うのですが、汚損や破損など資料保存上支障をきたすと考えられる様々な事象をこの工程で発見できることが多くあります。

また資料の間に埃やゴミなどが入っていると、取得される画像の判読性に支障をきたす場合があるため、これらの比較的目立つ埃やゴミは取り除かれることになり、資料保存上の問題を軽減することが期待できます。

このような発見された汚損や破損事象について委託業者さんから疑義照会等で報告してもらうように事前に決めておくとよいでしょう。資料保存上処置等が必要な資料点数と状態が把握でき、今後の資料保存対策を検討する上で役立てることが可能となるかもしれません。


4.書誌情報も整って、新しい発見も??

デジタル化作業の工程においてスキャニングや撮影などで画像を取得する前におこなう「前整理作業」では、資料の汚損や破損などの劣化状態だけでなく、資料のページや新聞・雑誌などは発行年月日、号数なども確認対象となることが基本です。そのため、所蔵データ上は●●号とされていた「前整理作業」の資料確認を行ったところ、●●号ではなく■■号であったということが判明したりすることがあります。また、合冊製本の表紙に記載されている号数と、実際に綴じられている資料の号数が異なっていたりすることもあります。

作業前の情報と実際に資料に記載されていた情報が異なるような事象について、委託業者さんに疑義照会等で報告してもらうように決めておくと、書誌情報を正しく整えるための情報になるかもしれません。

また、「前整理作業」では資料そのものではない資料に挟まれているメモ書きや、明らかに資料そのものではない貼付物なども、画像取得対象となるか確認を行うことになるのですが、このメモ書きが重要な情報を含んでいる場合も時にはあるようです。

資料そのものではありませんが、もしかすると新しい発見につながるかもしれませんね。

まとめ

今回は資料を1枚ずつ手に取り目に触れるデジタル化作業ならではのお話をさせていただきました。

今回ご紹介したすべての内容が資料のデジタル化を行うと必ず実現できるというお話ではありません。

しかし、実際に今までデジタル化作業を行わせていただいた際に経験したことを基にしていますので、

「一粒で二度おいしい!」

ではありませんが、資料のデジタル化は、デジタルデータだけでなく様々な有益な情報や効果を得ることができる事業となる可能性は高いのではないでしょうか。



Hasegawa
Hasegawa
ニチマイの営業担当です。デジタルアーカイブに関して少しでも皆様のお役に立てるようにがんばります!

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