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資料の電子化とビジネスアーカイブの構築。電子化の方法や注意点も解説

あらゆる分野でデジタルアーカイブを構築する取り組みが進むなか、これまで紙媒体で管理していた資料を電子化する需要が高まっています。創業時から蓄積された資料をデジタルアーカイブとしてまとめることは、情報資産を後世に残すとともに、今後の経営戦略の一助になると考えられます。

企業や団体においては、情報資産の利活用を促進するために「資料の電子化を行いたい」「電子化した資料でアーカイブを構築したい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、資料を電子化する方法や注意点とともに、ビジネスアーカイブの構築について解説します。


目次[非表示]

  1. 資料の電子化とは
  2. 電子化資料でビジネスアーカイブを構築する
    1. ビジネスアーカイブとは
    2. ビジネスアーカイブを構築するメリット
  3. 資料を電子化する際の方法
  4. 資料を電子化する際の注意点
  5. 専門企業による資料電子化の事例
  6. まとめ


資料の電子化とは

資料の電子化とは、もともとデジタル情報でなかった資料を電子的に保存することです。電子化にあたっては、スキャナーを用いて紙媒体で作成された資料を画像データとして読み込む作業を行います。

混同されやすい言葉として電子文書がありますが、電子文書ははじめからパソコンやスマートフォンなどでデータとして作成された文書を指すため、両者は明確に異なります。



電子化資料でビジネスアーカイブを構築する

資料を電子化して情報共有や利活用を進めるために、ビジネスアーカイブを構築する方法があります。ここからは、ビジネスアーカイブについて解説します。


ビジネスアーカイブとは

ビジネスアーカイブとは、企業における創業から今日までの事業の歩みを示す長期保管記録のことです。

企画書や商品の仕様書、設計図、社内報などの資料を電子化することによって、これらのデータを一元管理するビジネスアーカイブを構築できます。


ビジネスアーカイブを構築するメリット

ビジネスアーカイブを構築すると、組織における情報資産を円滑に共有・収集できるようになり、以下のようなメリットが期待できます。


▼ビジネスアーカイブのメリット

  • 意思決定への支援
  • 製品開発への支援
  • 広報・マーケティングへの活用
  • 社会的責任(CSR)への対応
  • 企業文化や理念の共有・継承
  • 社史や記念誌の編纂


ビジネスアーカイブを構築すると、事業における過去の成功・失敗の経験を生かせるようになり、現在と将来の経営戦略に関する意思決定の助けとなります。例えば、新たな製品開発のプロジェクトにおいて、過去に開発した製品の情報を活用することが可能です。アーカイブ上の資料を展示して一般公開をすれば、広報・マーケティング施策の一環としても機能します。

また、近年では社会的責任(CSR)に対する意識の浸透によって、企業における環境問題や地域社会への取り組みが重要視されています。ビジネスアーカイブで過去の公害問題や自然環境に関するデータを蓄積することによって、CSR活動にも役立てられます。

さらに、過去の知識資産を電子化して残すと、創業時からの企業文化や理念を共有・継承することが可能です。蓄積されたデータを基に、社史・記念誌を編纂すれば、社内の教育やブランディングなどにも役立てられます。



資料を電子化する際の方法

資料の電子化は、以下の流れで行います。


▼資料電子化の流れ

  • 電子化する書類を選別する
  • データの解像度や形式、保管場所を決める
  • スキャナーなどを使用して電子化する


まずは、電子化する資料を選別します。不要な資料を整理しつつ、使用頻度や利用者数などを整理して、利活用を進めたい資料を絞り込むことがポイントです。

次に、資料の種類や電子化の目的に応じて、データの解像度・形式・保管場所について検討します。電子化したデータを効率的に管理しやすく、利用しやすい形式で提供できるように、保存方針・計画を策定しておくことが重要です。最後に、スキャナーを使用して紙媒体の資料を画像データとして読み込み、電子化します。



資料を電子化する際の注意点

資料を電子化する際は、以下の点に注意して進める必要があります。

▼資料を電子化するときの注意点

  • 劣化状態や破損状態を把握する
  • 折れ・しわ伸ばしなどを行う
  • スキャニングの品質を確認する
  • データのセキュリティ対策を行う


古い資料のなかには、経年劣化によって文字が薄れていたり、一部が破損したりしているケースがあります。資料を電子化する際は、書類の劣化・破損状態を把握したうえで、必要に応じて折れ・しわ伸ばしなどの整え作業を行う必要があります。

スキャナーを用いて画像データを読み込んだあとは、解像度が適切になっているか、文字や図面が明瞭に映っているかなどを確認することも重要です。

また、電子化した資料の管理・運用を安全に行うためには、データの保存方法や公開範囲などに応じたセキュリティ対策が求められます。



専門企業による資料電子化の事例

信濃毎日新聞社さまでは、図書館や調査研究機関に向けた検索・閲覧サービスを展開するために、資料の電子化とデータベースのアーカイブコースの構築を行いました。


▼課題
信濃毎日新聞データベースの過去紙面には、『信毎アーカイブスDVD版』に収録している画像データが掲載されていましたが、「掲載する画像データをより高画質にしてほしい」との要望が多くありました。


▼導入方法
2014〜2022年まで毎年行っていた、マイクロフィルムからの画像データの作製に加えて以下のような対応を実施しました。

  • マイクロフィルムに収録されていない紙面・付録をマイクロフィルムに撮影したうえで、画像データを作製する
  • 紙面・付録の原本から画像データを作製して、データベースに追加する


▼導入後の効果

  • 容量制限があるなかでも高画質な画像データを作製できた
  • 閲覧場所まで移動することなく、インターネットを通じて情報を収集できるようになった
  • キーワードや日付で簡単にデータを検索できるようになった



まとめ

この記事では、資料の電子化とビジネスアーカイブの構築について以下の内容を解説しました。


  • 資料の電子化について
  • ビジネスアーカイブの概要とメリット
  • 資料を電子化する方法
  • 資料を電子化する際の注意点
  • 専門企業による資料電子化の事例


資料を電子化してビジネスアーカイブを構築することで、長期にわたる企業や事業の歩みを保管・記録して、知的資産を受け継げるようになります。

資料を電子化する際は、劣化状態や破損状態などを把握したうえで、折れ・しわ伸ばしを行ったり、スキャニングの品質を確認したりする必要があります。また、安全に管理・運用するには、保存するデータのセキュリティ対策も不可欠です。

このように、分書の電子化にはさまざまな技術・知識が必要になるため、専門企業に依頼することがおすすめです。

デジアカ』では、企業で所有される資料の電子化やアーカイブの構築を一気通貫でサポートいたします。資料の整理や選定、電子化に至るまですべてお任せください。マイクロフィルムの画像データ作製にも対応しております。

サービスについて、詳しくはこちらの資料をご覧ください。

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なお、マイクロフィルムを電子化するメリットについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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