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サンプルデータ作製時に適した資料とは? ポイントまとめ。

デジタル化作業に先立って行われることの多いサンプルデータの作製。デジタル化された画像データの品質の確認だけでなく、デジタル化作業の課題等の把握にも役に立つので有効に活用したいですね。

ではどのような資料をサンプルとして選べばよいのでしょうか。ポイントをまとめました。

目次[非表示]

  1. 1.文字が読みにくい資料を選ぶ
  2. 2.資料の開き具合が悪い資料を選ぶ
  3. 3.色のついている資料を選ぶ
  4. 4.状態の悪い資料を選ぶ
  5. まとめ
  6. 参考URL

資料のデジタル化を検討するときや、デジタル化作業を実施する前に、デジタル化の委託業者さんにサンプルデータを作ってもらうと、画像データの品質やデジタル化に係る課題の洗い出しが容易になります。

どこをみればいいの?確認すべきサンプルデータのポイントとは。

  どこをみればいいの?確認すべきサンプルデータのポイントとは。 資料のデジタル化を検討する際や、実際にデジタル化を行う前は 「この資料をデジタル化したらどんな見栄えになるのかな?」 「この文字は読めるようになるかな?」 「データの大きさはどのくらいになるかな?」などなど 色々と不安や課題が出てくると思います。 その解決の一つとして、デジタル化を依頼する委託業者さんに、サンプル画像を作ってもらい、事前に画像を確認する方法があります。 しかし実際にサンプルデータを受け取っても、どこをみて何を確認すればよいか迷ってしまうことがあるかもしれません。 そこで、今回はサンプルデータの確認すべきポイントをまとめてみました。 デジアカ



仕様書だけでは分かりにくい部分が、サンプルデータによって明確なることも多くあるのでサンプルデータを有効に活用したいところです。

しかしあまり多くの資料をサンプルデータの対象とすることは、サンプルデータの確認に手間がかかかってしまったり、サンプルデータを作製する委託業者さんの負担が大きくなってしまう恐れがありますので、サンプルデータの対象とするは数点となる場合が多いようです

そのためデジタル化の対象となっている資料の中から、サンプルデータの対象にする資料を選ぶ必要ができます。

ここでは主に、「紙資料のデジタル化」におけるサンプルデータに適した対象資料を選ぶポイントについて確認してみましょう。


1.文字が読みにくい資料を選ぶ

デジタル化した画像データ上で、資料の文字がしっかりと判読できている状態で再現されているか確認をしておきたいところです。

基本的に、目視でしっかりと確認が可能な状態の文字は、デジタル化しても、ほぼ問題なく判読できる状態で再現されると考えてよいでしょう。

そのため、目視では判読が難しい以下の資料をサンプルデータの対象として選んでおくと、デジタル化した画像データの文字の判読性について確認が可能になります。

1)印刷不良や筆圧不足で文字がかすれている資料

2)文字の背景に色がついていて、文字部分が読みにくい資料

3)文字の大きさが小さい資料

4)汚損などで文字部分が読みにくい資料


2.資料の開き具合が悪い資料を選ぶ

冊子体の資料をデジタル化する場合には、見開きを1ファイルとして画像取得することが多くあります。

その場合、画像取得の工程では資料のページを開いて、見開きで画像データを取得することになるのですが、資料の製本状態や紐綴じの状態などで、十分に資料を開くことが難しい場合があります。

資料の現物を利用する場合には資料の開きが悪くても、資料を動かすなど視点を変えると、なんとか綴じ部分の文字を読むことができるかもしれません。

しかし、デジタル化した画像を利用する際には、画像は一定方向からしか見ることができませんので、視点を変えて綴じ部分の文字を読むことはできません。

そのため以下の資料をサンプルデータの対象として選ぶと、資料の開きが画像データにどのような影響を与えているか確認をすることができます。

1)製本や紐綴じの綴じがきつく、十分に資料を開くことが難しい資料

2)綴じ部分に文字や絵図などが記されている資料


3.色のついている資料を選ぶ

カラー資料をデジタル化する場合には、資料の色が忠実に再現されることが大切になります。

デジタル化に使用されるスキャナー等の画像取得機器によって再現できる色領域などが異なるため、サンプルデータでは色のついている以下の資料を選択することをお勧めします。

1)写真や挿絵などが掲載されている資料

2)図表などに色がついている資料

3)印影などがある資料

また、色の再現性を確認する際に目視のみであると、主観的になってしまたり、サンプルデータを確認したモニターの色再現性に依存してしまったりすることがありますので注意が必要です。

そこで、色のついた資料と併せてカラーチャート等もサンプルデータの対象とすると数値的に色の再現性を確認できるのでおすすめです。


4.状態の悪い資料を選ぶ

デジタル化の対象となる資料は、年代が古く劣化や利用環境により資料状態が悪いものがあるかもしれません。

酸性劣化により紙力が低下して、ページをめくると破損の危険性が高くなっている、資料を開くと背の部分が割れてしまう恐れがあるなど。

デジタル化作業では、画像取得の際に資料のページを大きく開いたり、その他各工程でも資料に触れる機会が多く発生することもあるため、資料への負荷はある程度許容しなくてはいけません。

そこで、サンプルデータ作製時に資料がデジタル化作業に耐えうる資料状態か、デジタル化作業の委託業者さんに確認をしてもらえるように、以下のような状態の悪い資料をサンプルデータの対象として選ぶと良いでしょう。

1)酸性劣化等で紙力が低下している資料(資料を閉じた状態で、天・地・小口部分が割れてしまっているような資料)

2)背表紙が割れてしまっている資料

3)ページを開くと、綴じ部分が外れてしまいそうな資料


まとめ

サンプルデータの対象資料が異なると、当然のことながら出来上がるサンプルデータも異なります。

そのため、サンプルデータで何を確認したいのかを予め検討してサンプルデータを作製することが大切になります。

しかし、確認したいことと、そのためにどのような資料をサンプルデータのどうすればよいか悩んでしまうこともあるかもしれません。

そんな時はデジタル化作業について経験豊富な専門業者さんに相談してみましょう。

具体的なアドバイスだけでなく、サンプルの進め方など相談に乗っていただけるはずです!


参考URL

国立国会図書館資料デジタル化の手引2017年版

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10341525_po_digitalguide170428.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

Hasegawa
Hasegawa
ニチマイの営業担当です。デジタルアーカイブに関して少しでも皆様のお役に立てるようにがんばります!