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梅雨時期に気を付けたいフィルム保管の注意点とマイクロフィルムを活用したデジタル化

GWも明け、まもなく蒸し暑い梅雨の季節がやってきます。

1年で最も湿気の多いこの時期は、マイクロフィルムにとっても過酷な季節です。

マイクロフィルムは適切な環境で保管すれば100年以上の長期保存が可能といわれる優れた記録媒体ですが、最大の敵は湿気などの水分です。

水分が原因となりマイクロフィルムは様々な劣化症状を発症するため、フィルムを長期保管するためには適切な温度湿度管理は必須となります。

また、このマイクロフィルムを単なる「過去に作製した記録媒体」として眠らせておくのではなく、デジタル化の元資料として活用することが有効とされています。

この記事では、特にこれからの梅雨の時期に知っておきたいマイクロフィルム保管の注意点と、過去に作製したマイクロフィルムを活用して行うデジタル化のメリットについてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.梅雨・夏場に注意すべき「湿度」と「結露」
    1. <水分が引き起こすマイクロフィルムの劣化症状>
    2. <盲点となる「結露」の恐怖>
  2. 2.マイクロフィルムを活用した「低予算」デジタル化
    1. <なぜマイクロフィルムからのデジタル化は「有効」なのか?>
    2. <マイクロフィルムデジタル化へのステップ>
  3. まとめ

1.梅雨・夏場に注意すべき「湿度」と「結露」

マイクロフィルムを劣化の危機から守り長期保管するためには、湿度管理が極めて重要です。JIS Z 6009では、マイクロフィルムの永久保存条件として「相対湿度を最高40%とする」と定めています。

<水分が引き起こすマイクロフィルムの劣化症状>

マイクロフィルムに水分が付着したり高湿度環境に置かれたりすると、次のような深刻な劣化症状が発生する可能性があります。

①TACベースの加水分解(ビネガーシンドローム)

TACベースフィルムにおいて発生する代表的なマイクロフィルムの劣化症状で、水分や熱によりフィルムが科学反応を起こし酢酸ガスを発生させる現象です。

フィルムのベタつきや波打ちなどの症状が発生し、ひどい場合にはプラスチック製のリールを溶かしてしまうほどの強烈な酢酸が発生します。

マイクロフィルムが臭っている場合は、この劣化症状が発生していると考えられます。

②PETベースの貼りつき

ビネガーシンドロームが問題となったTACベースに代わり登場したPETベースのマイクロフィルムでも、水分がフィルムに付着して乾燥するとフィルム同士が強固に貼りついてしまう現象が確認されています。

貼りついてしまったマイクロフィルムを無理に剥がそうとすると、フィルムの画像面まで剥がれてしまう可能性があります。

③カビの発生

マイクロフィルムの保護具に用いられている紙帯や糸は、水分が残りやすいためカビが発生することがあります。

カビが確認された場合、付着したカビを適切な方法で除去するか、保護具を交換する必要があります。

<盲点となる「結露」の恐怖>

湿度計での管理は一般的ですが、意外と見落としがちなのが「結露」です。

適切な空調環境で保管していても、利用のためにマイクロフィルムを別の場所へ移動させた際、急激な温湿度変化によってフィルム表面に結露が発生することがあります。

結露は、空気中の水蒸気が冷やされて水滴や霜になる現象で、空気中の水蒸気が凝結を始める温度を「露点温度」と呼び、この露点温度を下回ると結露が発生します。

①結露注意日の見極め

露点温度の算出は温度と湿度から求められますが、都度計算するのは大変なので天気予報サイトなどで確認しましょう。露点温度が最低気温より高い日が結露注意日となります。

結露注意日には、空調管理された保管場所からマイクロフィルムを持ち出すことはせず、空調の効いた部屋の中でのみフィルムを取り扱うようにし、外気には触れさせないようにしましょう。

②もしフィルムに水分が付着してしまったら

結露などがフィルムに発生してしまいフィルムに水分が付着してしまった場合は、放置せずにすぐに拭き取りや巻き返しを行って早急に水分を取り除く処置を行いましょう。

水分が付着したままマイクロフィルムを放置すると、一気に劣化症状が進んでしまう危険性があります。

2025年12月の最終オーダーをもって、メーカーによるマイクロフィルム材料の供給が終了したため、劣化が起きたフィルムについて今後は新しいフィルムへの複製を作ることができなくなります。

劣化により使用できなくなるリスクを避けるため、今まで以上にマイクロフィルムの保管について注意する必要があります。

2.マイクロフィルムを活用した「低予算」デジタル化

「デジタルアーカイブを構築したいけれど、予算が限られている」という悩みは非常に多く聞かれます。

貴重な古文書などの資料を一点ずつスキャニングするのは、多くの時間と費用がかかるのと、貴重資料にも負荷を与えてしまう可能性があります。

しかし、過去に作製したマイクロフィルムがあれば、それを活用することで時間と費用を抑えたデジタル化が可能となります。

<なぜマイクロフィルムからのデジタル化は「有効」なのか?>

マイクロフィルムを用いたデジタル化には、原資料から直接スキャニングする場合と比較して、次のようなメリットがあります。

①低コストかつ短期間での作業

貴重資料などを一から撮影・スキャニングするよりも、マイクロフィルムを専用のフィルムスキャナーにかけスキャニングすることで、短期間に大量のデジタル化が可能となります。

原資料を直接スキャニングするよりも、マイクロフィルムのデジタル化は低コストで実施可能です。

②資料の「若さ」を保った画像

過去に撮影されたマイクロフィルムには、撮影当時の良好な状態の資料画像が記録されています。

現在の原資料は経年劣化が進んでいるかもしれませんが、フィルムの中には「資料年齢が若いとき」の良質な画像情報が残っている可能性があります。

③効率的な公開準備

すでにマイクロフィルム化されていることで、資料内容の把握や目録作成のベースが整っている場合が多く、スムーズなデジタルアーカイブの構築へつながります。

ただし、マイクロフィルムのデジタル化には注意点もあります。

マイクロフィルムの多くはモノクロ(白黒)画像であるため、デジタル化した画像もグレースケールや白黒2値となります。

資料の色情報が不可欠な場合は、原資料からのカラー撮影・スキャニングを検討する必要があります。

マイクロフィルムのデジタル化に関するお役立ち資料はこちら↓↓

<マイクロフィルムデジタル化へのステップ>

まずは、お手元にあるマイクロフィルムを把握することから始めましょう。

①目録の確認

どのような資料がマイクロフィルムに収録されているか、目録やフィルムの箱書きなどを確認します。

②内容の確認

目録情報などがない場合、マイクロフィルムリーダーやリワインダーを使用してマイクロフィルムの画像を確認します。

もし上記のような確認機器がない場合やフィルムの取り扱い方が分からない、時間がないなどの場合は、マイクロフィルム専門業者に相談しましょう。

マイクロフィルムのスキャニングを行い、デジタル画像で内容を確認するのも有効な手段です。

③劣化状態の確認

フィルムから酢酸臭(酸っぱい臭い)がしたり変形が見られたりする場合は、そのままスキャナーにかけることができない場合があります。

劣化が心配な場合は、まずは専門業者に相談しマイクロフィルムを使用しての作業が可能かどうか判断しましょう。

当社では、お持ちのマイクロフィルムの状態確認をさせて頂き、デジタル化を行う一連のサービスを承っておりますので、お困りごとなどありましたらお気軽にご相談ください。

マイクロフィルムの劣化調査に関するお役立ち資料はこちら↓↓

まとめ

マイクロフィルムは過去から受け継いだ貴重な情報資産です。

これからの梅雨時期、「湿度40%以下」と「結露防止」を意識して、大切な資産を守り抜きましょう。

そして、守るだけでなくデジタル化を行うことによって、資料の活躍の幅を広げ、資料価値をさらに高めることが可能です。

「予算が限られている」「フィルムの劣化が心配」といった不安がある場合、まずはご相談ください。

当社では、マイクロフィルムの状態確認やデジタル化作業、デジタルアーカイブ構築支援

といったサービスを行っています。

どんなお困りごとでも構いませんので、ご相談お待ちしております。

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Kudou
Kudou
ニチマイの営業担当です。デジアカサイトでは少しでもみなさまのお役に立てるような情報を発信していきたいと思っています。デジタルアーカイブの知識をこれからも日々勉強してまいります。