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デジタルアーカイブ戦略2026-2030とは?ポイントをまとめてみました。

 政府の知的財産戦略本部より「デジタルアーカイブ戦略 2026-2030」が昨年5月発表されました。

この戦略は、2026年度から2030年度までの5年間を対象とし、生成AIの普及やDXの進展といった社会情勢の変化を踏まえた、重要な国家プロジェクトといわれています。

今回は、この新しいデジタルアーカイブ戦略について、基本理念から具体的な数値目標、そして私たちの生活や社会にどのような影響を与えるのかという視点でまとめてみました。

目次[非表示]

  1. 1.デジタルアーカイブ戦略 2026-2030の基本理念
  2. 2. 2030年に向けた「優先分野」メディア芸術と地域資源
    1. 1)メディア芸術(マンガ・アニメ・ゲーム等)
    2. 2)地域資源と地方創生
  3. 3.国家プラットフォーム「ジャパンサーチ」
    1. 1)データ拡充目標
    2. 2)コンテンツの見える化と利便性向上
    3. 3)相談窓口の設置
  4. 4.権利処理の壁を乗り越える(新たな法的枠組み)
    1. 1)未管理著作物裁定制度
    2. 2) 分野横断権利情報検索システム
    3. 3)オープンデータの推奨
  5. 5.各分野における具体的アクションと中核組織
    1. 1)文化財(国立文化財機構)
    2. 2)美術(国立美術館)
    3. 3)映画(国立映画アーカイブ)
    4. 4)書籍(国立国会図書館)
    5. 5)公文書(国立公文書館)
    6. 6)放送(NHK・放送番組センター)
  6. 6.人材育成と「つなぎ役・拡げ役」
    1. 1)ジャパンサーチ連携推進者(つなぎ役)
    2. 2)デジタルアーカイブ利活用推進者(拡げ役)
  7. まとめ
  8. 参考URL

1.デジタルアーカイブ戦略 2026-2030の基本理念

今回の戦略における最大の目的は、「デジタルアーカイブが日常に溶け込んだ豊かな創造的社会の実現」です。
単に古い資料をデジタル化して保存するだけではなく、それらを新しい情報技術と連携させ、誰もが容易に発見し、自由に活用できる基盤を構築することを目指しています。

戦略では、デジタルアーカイブが担うべき役割として以下の4つの方向性を定めています。


・記録・記憶の継承と再構築: 分野を超えた資料同士の関連付けにより、新しい知識の発見を促します。


・コミュニティを支える共通知識基盤: 学びや議論の前提となる知識を支え、誰もが編集やキュレーション(選別・再公開)を行えるツールを提供します。


・新たな社会ネットワークの形成: 異なる分野や地域の専門家、コミュニティを繋ぎ、総合知の創出やリテラシー向上に寄与します。


・日本のソフトパワーの発信: 日本の魅力を世界へ発信し、観光、地方創生、コンテンツ産業の振興につなげます。

2. 2030年に向けた「優先分野」メディア芸術と地域資源

この戦略では2026年からの5年間では、従来の文化資産・学術資料に加え、特に「メディア芸術」と「地域資源」が優先分野として位置づけられています。

1)メディア芸術(マンガ・アニメ・ゲーム等)

世界から「かっこいい(クール)」と評価される日本の魅力や文化を発信し、経済活性化や海外ファン獲得につなげる日本の国家戦略の「クールジャパン」の源であるメディア芸術分野では、産業界と連携し「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」の機能を有する拠点の整備が進められます。

これにより、散逸や劣化の恐れがある作品や資料を体系的に保存・活用する体制が強化されます。

2)地域資源と地方創生

地域の歴史、写真、文化財などのデジタルアーカイブは、観光振興だけでなく、防災・レジリエンス(困難な状況やストレスに対する耐性の強さ)の基礎としても期待されています。

例えば、被災前の街並みの記録は、地域の記憶を継承し、復興や教育に役立てることができます。

この戦略では、全47都道府県域との連携を目標に掲げています。

3.国家プラットフォーム「ジャパンサーチ」

本戦略の核となるのが、日本国内の多様なコンテンツを一括で検索・閲覧・活用できるプラットフォーム「ジャパンサーチ」です。

1)データ拡充目標

2030年までに、ジャパンサーチで検索可能な連携メタデータ数を5,000万件(2025年2月時点の約3,100万件から大幅増)まで拡大することが目標とされています。

2)コンテンツの見える化と利便性向上

単なるデータの羅列ではなく、インターネット上で直接閲覧可能なコンテンツの割合を大幅に引き上げます。

2035年までには、欧州の「Europeana(ヨーロピアーナ)」並みの利便性を実現することを目指し、連携メタデータのうちコンテンツ公開件数を約65%にまで高める計画です。

3)相談窓口の設置

デジタルアーカイブの構築を検討している自治体や団体向けに、2025年1月よりジャパンサーチ内に相談窓口が常設されています。

立ち上げから運用、連携方法まで、実務的なサポートを受けることが可能です。

4.権利処理の壁を乗り越える(新たな法的枠組み)

デジタルアーカイブ推進の最大の課題は「著作権」などの権利処理です。本戦略では、これを円滑化するための施策が盛り込まれています。

1)未管理著作物裁定制度

 2023年の著作権法改正により、権利者が不明、または意思が明確でない著作物について、文化庁長官の裁定と補償金の支払いにより、時限的に利用可能となる制度が創設されました。

2) 分野横断権利情報検索システム

上記制度を支えるため、2026年春頃の施行に向けて、権利情報の検索システム整備が進められています。

3)オープンデータの推奨

メタデータについては「CC0(著作権放棄)」や「CC BY(表示)」といったオープンな利用条件を付与することを推進しています。

5.各分野における具体的アクションと中核組織

各分野では、それぞれの中核機関がリーダーシップを発揮し、デジタル化を加速させます。

1)文化財(国立文化財機構)

統合検索システム「ColBase」を通じ、商用利用も可能なオープンデータ化を推進。

2)美術(国立美術館)

全国美術館収蔵品サーチ「SHŪZŌ」により、近現代美術作品を含む情報の可視化を強化。

3)映画(国立映画アーカイブ)

最大級のコレクションの映像デジタル化を進め、ストリーミングや教育活動での活用を目指す。

4)書籍(国立国会図書館)

紙の資料のデジタル化に加え、電子書籍・雑誌などのボーンデジタル資料の保存・提供を強化。

5)公文書(国立公文書館)

歴史資料として重要な公文書を国民共有の知的資源として公開。

6)放送(NHK・放送番組センター)

映像・音声資産を次世代へ継承し、多角的な活用を検討。

7)学術・自然史(人間文化研究機構・国立科学博物館)

研究DXやオープンサイエンスに対応したデータ提供と、3Dデジタル化の検討。

6.人材育成と「つなぎ役・拡げ役」

デジタルアーカイブを成功させるためには、技術と知識を持った人材が不可欠です。本戦略では、以下の2つの役割を定義し、支援を強化しています。

1)ジャパンサーチ連携推進者(つなぎ役)

各分野・地域のアーカイブをまとめ、ジャパンサーチと繋ぐ役割を担う機関。2030年までに80機関(2025年時点は55機関)への拡大を目指します。

2)デジタルアーカイブ利活用推進者(拡げ役)

アーカイブのデータを使い、新しい価値を生み出す「活用者」を増やし、支援する個人や団体。

2030年度までには、各機関においてスキルを持った職員の適正配置を目指すことも明記されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「デジタルアーカイブ戦略 2026-2030」は、日本の知的資産をデジタル化し、それを社会の共有財産として活用するための重要なロードマップとなっているようです。
デジタル化されたデータが、単純に資料情報の公開のみならず、新たな価値を創造する可能性を秘めているということも念頭に置きながら、資料のデジタル化を計画検討する必要があるようです。
価値のあるデータをつくるためには、正しくデジタル化を行うことが基本となりますが、どのようにデジタル化を進めたらよいか悩んでしまいますね、、、


そんな時は経験豊富なデジタル化業者さんに相談をしてみましょう。
きっとお役に立つアドバイスをしてもらえるはずです!

参考URL

・デジタルアーカイブ戦略懇談会・デジタルアーカイブ推進に関する検討会とりまとめ

デジタルアーカイブ戦略2026-2030」

https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/titeki2/pdf/archive_2026-2030.pdf

Hasegawa
Hasegawa
ニチマイの営業担当です。デジタルアーカイブに関して少しでも皆様のお役に立てるようにがんばります!