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水分は大敵!マイクロフィルムを長期保管するために知っておきたい湿度と結露

マイクロフィルムにとって水分は大敵です。

フィルムに水分が付着すると、さまざまな劣化現象を引き起こすきっかけとなります。

直接フィルムに水分を付着させないようにすることはもちろん、空気中の湿気もフィルムに影響をおよぼすため、マイクロフィルムの永久保存条件では相対湿度が最高40%とするよう環境条件が定められています(JIS Z 6009)。


また、適切な温度や湿度の環境でマイクロフィルムを保管していたとしても、利用するためにフィルムを別場所へ移動させた際に、急激な温度や湿度の変化によってフィルム上で結露が発生し、残念ながら劣化させてしまうこともあります。


そこで、マイクロフィルムを保管や利用する場合に気を付けるべき湿度と結露についてご紹介します。


目次[非表示]

  1. 水分が原因となるマイクロフィルムの主な劣化症状
    1. 1.TACベースの加水分解
    2. 2.PETベースの貼りつき
    3. 3.紙帯や綴じ糸にカビが発生
  2. 湿度と結露
  3. どんなときにフィルムに結露が発生しやすいのか
  4. まとめ
  5. 参考ページ(マイクロフィルム保管ツールのご案内)

水分が原因となるマイクロフィルムの主な劣化症状

1.TACベースの加水分解

TACベースが水分や熱により化学反応を起こし酢酸ガスを発生させる現象。

フィルムのべたつきや波打ち、ひどい場合はプラスチックリールを溶かしてしまうほどの強烈な酢酸が発生します。

2.PETベースの貼りつき

PETベースの場合、水分がフィルムに付着し乾燥することでフィルムどうしが貼りついてしまうことがあります。

その場合、緩やかに巻き返しを行うことでやさしくはがしていくことができますが、貼りつきが強固な場合はフィルムが破断してしまうこともあります。


3.紙帯や綴じ糸にカビが発生

紙や糸に水分は残りやすいため、マイクロフィルムの保護具に用いられている紙帯や糸の部分にカビが発生します。

適切な方法で付着したカビを除去するか、保護具を交換する必要があります。


湿度と結露

前章のとおり、TACベースでもPETベースでも水分が原因となり劣化症状が発生する可能性があります。

そこでマイクロフィルムを保管する場合や取り扱う場合には特に湿度と結露について注意する必要があります。


湿度については湿度計などでこまめにチェックし、空調や除湿機などを使用することで比較的対処しやすいですが、結露については発生のメカニズムがよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか?


そのため、ちょっとしたことでフィルムに結露が発生してしまい、結露水により一気にフィルムの劣化が進んでしまうケースがみられます。


そこで、マイクロフィルムに結露を発生させないために、結露がどのようなときに発生しやすいのかを知っておきましょう。



どんなときにフィルムに結露が発生しやすいのか

結露とは、空気中に含まれる水蒸気が冷やされ凝結した水滴や霜のことで、冬場の窓ガラスなどに大量の水滴がつく現象など、我々の身近に発生するごく一般的な現象です。


また、空気中に含まれる水蒸気が凝結を開始する温度のことを露点温度といい、この露点温度を下回ると結露が発生します。


露点温度の算出は温度と湿度から求められますが、都度計算するのも大変ですので天気予報サイトなどから確認するのがおすすめです。


露点温度が最低気温より高い日は結露注意日となります。結露注意日にはマイクロフィルムを外気に触れさせないことが必要です


結露が心配される日には、空調管理された保管部屋からマイクロフィルムを持ち出すことはせず、空調の効いた部屋の中でのみフィルムを取り扱うようにしましょう。


まとめ

マイクロフィルムは水分が原因となりさまざまな劣化現象が起こります。

マイクロフィルムを長持ちさせるためには、適切な湿度管理や結露を発生させないようにすることが必要です。

梅雨時期など雨の日はもちろん、夏や冬などで外気との急激な温度湿度の変化が起きやすい時期も要注意です。


もし水分が付着してしまったと思ったら、拭き取りや巻き返しなど水分を取り除く処置をできるだけ早めに行うことをおすすめします。

どのように処置をすればよいかわからないときはお知らせください。


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Kudou
Kudou
ニチマイの営業担当です。デジアカサイトでは少しでもみなさまのお役に立てるような情報を発信していきたいと思っています。デジタルアーカイブの知識をこれからも日々勉強してまいります。

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