画像ファイルの解像度、画素数、データ容量について
画像ファイルを扱っていると解像度や画素数、データ容量と言った言葉をよく聞くようになります。
今回は、それぞれが何を示しているかを簡単に説明させていただきます。
また階調の違う画像ファイルにおける、データ容量の算出方法についても確認してみましょう。
これらをまとめてみると、それぞれの関係性がより明確になるかと思います。
対象となる画像ファイルはスキャナーで、非圧縮のTIFFファイルを作製することとします。
少しでも理解が深まり、画像ファイルを作製する際の、参考になれば幸いです。
解像度
解像度とは、対象資料をどれだけの細かさで読み取るかを示しています。
長さ1インチ(25.4㎜ )の中に、いくつのドット(点)があるかを示していて、単位はdpi(dots per inch)が通常用いられます。
1インチの中に、20ドットあれば、20dpi、40ドットあれば40dpiです。
よって、解像度の高い方が、より細かな高精度の画像となると言えます。
解像度は画像の画質を決める重要な要素です。
画素数
画素(ピクセル)とは最小単位の点であり、画像ファイルにおいては、1ドット=1ピクセルとされています。
画素数は、画像ファイルを形成する、縦横に規則正しく並んだ、ピクセルの総数量です。
解像度と縦横のピクセルが決まれば、画素数も決まることになります。
A4サイズで400dpiの場合は、以下の計算で算出可能です。
まずは長さをインチに換算します。次に解像度を掛けて短辺・長辺のピクセル数をだします。
短辺:210㎜÷25.4㎜×400dpi=3,307ピクセル
長辺:297㎜÷25.4㎜×400dpi=4,677ピクセル
縦横に規則正しく並んだピクセル総数が画素数になります。
3,307×4,677=15,466,839ピクセルがA4サイズの400dpiで作製した画像ファイルの画素数です。
画素数は画像ファイルの大きさを判断する目安になります。
参考までにA4サイズ、A3サイズでの200dpi、400dpi、600dpiで画像を作製したときのピクセル値を示します。
データ容量
データ容量とは画像ファイルのデータ量のことになります。
最小単位はビット(bit)です。
1ビットは0か1で表されます。
データ容量を表す最小の単位はバイトであり、ビット8つで、1バイトです。
これらを踏まえ、階調の違う画像ファイルのデータ容量は、どの様に計算できるか見てみましょう。
作製する画像のサイズと解像度は、A4サイズで400dpiとします。
モノクロ2値画像
画像を形成する、各ピクセルを1ビットの白か黒で表した画像ファイルです。
1ビットで2通りになります。
画素数は15,466,839ピクセルですので、バイトに換算するため8で割ると1,933,354バイトです。
画像データ容量は二進法ですので2の10乗である1,024で割ることで、1,933,354バイト=1,888キロバイト=1.84メガバイトとなります。
グレースケール画像
グレースケール画像には白から黒までの灰色を、4ビット16階調、8ビット256階調で表現した画像ファイルがあります。
4ビットでは2の4乗で16通りになり、8ビットでは2の8乗で256通り表現が可能です。
画素数の15,466,839ピクセルをビット数で掛け合わせ、バイトに換算するため8で割ります。
4ビット16階調の場合は、15,466,839ピクセル×4ビット÷8バイト=7,733,419バイト=7.37メガバイト程度のデータ容量となります。
フルカラー画像
フルカラー画像は1ピクセルがRGBの3色で構成されていて、各色8ビット256階調で表現した画像ファイルです。
計24ビットで2の24乗で 16,777,216通りの色が表現可能です。
画素数の15,466,839ピクセルをビット数で掛け合わせ、バイトに換算するため8で割ります。
15,466,839ピクセル×24ビット÷8バイト=46,400,517バイト=44.25メガバイト程度のデータ容量となります。
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まとめ
解像度、画素数、データ容量を知ることで画像ファイルの細かさや大きさ、重さの目安が分かるようになります。
表で示すと、次のようにまとまります。
これらの関係性をより理解することで、デジタル化作業の品質向上につながれば幸いです。
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参考文献
国立国会図書館 国立国会図書館資料デジタル化の手引2017年版
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会 文書情報マネジメント概論