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ガラス乾板をデジタル化して史料データを残すメリットや注意点

ガラス乾板は、かつて写真撮影のために使用されていました。フィルムが普及する以前となる明治から昭和の時代にかけて一般的に使用されており、そこに写された写真のなかには、歴史的に価値のある貴重な知的資産となるものもあります。

ガラス乾板は、経年劣化によってひび割れやカビなどが発生しやすいため、貴重な知的資産を後世に残すことを目的にデジタル化することが望まれています。

自治体や美術館、博物館などで所蔵するガラス乾板のデジタル化を検討している担当者のなかには、「ガラス乾板をデジタル化するメリットは何か」「デジタル化するときに気をつけておくことはあるのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ガラス乾板をデジタル化する重要性やメリット、注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. ガラス乾板をデジタル化する重要性
  2. ガラス乾板をデジタル化するメリット
    1. ①現物の劣化・破損を抑制できる
    2. ②情報収集・検索が容易になる
    3. ③情報の解析がしやすくなる
  3. ガラス乾板をデジタル化するときの注意点
    1. 劣化の状態を確認する
    2. 慎重かつ丁寧に取り扱う
    3. デジタル化後は適切な環境・方法で保管する
  4. まとめ


ガラス乾板をデジタル化する重要性

ガラス乾板は、ガラス板に臭化銀ゼラチン乳剤を塗布した写真感光材料の一種です。フィルムカメラが誕生する前の19世紀末に開発されて、主に学術や職業写真の分野で使用されていました。

ガラス乾板は、温度や湿度の影響を受けにくくフィルムと比較して形状が安定していることが特徴ですが、割れやすい、変色しやすいといった脆弱性を持ち合わせています。

経年によって劣化・破損するリスクを最小限に抑えて、貴重な記録を長期にわたって永続的に保存・閲覧するためにもデジタル化することが重要です。

ガラス乾板をデジタル化する方法には、主に以下の2つが挙げられます。


▼デジタル化する方法

  • デジタルカメラによる撮影
  • 接触または非接触スキャナーによる撮影


なお、デジタル化の見積もりに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  デジタル化の正確な見積の為に必要な情報とは。—その1(数量編)— 貴重資料、紙資料のデジタル化計画にあたり、正確な費用の算出は大切な要素となります。デジタル化を行う委託業者さんに見積を依頼する際に、どのような情報を提供すればよいのでしょうか。ポイントをまとめました。 デジアカ



ガラス乾板をデジタル化するメリット

ガラス乾板をデジタル化すると、デジタルコンテンツとして貴重な知的資産を管理できるようになります。デジタル化によるメリットには、以下が挙げられます。


①現物の劣化・破損を抑制できる

1つ目のメリットは、現物の劣化・破損を抑制できることです。

ガラス乾板をデジタル化してデータコンテンツとして保存することで、現物を取り扱う回数が減り、劣化や破損を抑制できます。

また、保存庫からの取り出しによる環境の変化がなくなるため、長期間にわたって適切な環境で保存することが可能です。


②情報収集・検索が容易になる

2つ目のメリットは、情報収集・検索が容易になることです。

ガラス乾板をデジタル化してデータベースで蓄積・閲覧できるようにすると、資料のカテゴリやキーワード入力などによって情報の収集・検索がしやすくなります。

また、美術館や博物館、自治体などが保有するガラス乾板の情報をインターネット上で公共に公開すれば、研究・教育などに知的資産が広く活用されることが期待できます。


③情報の解析がしやすくなる

3つ目のメリットは、情報の解析がしやすくなることです。

ガラス乾板に写された写真の詳細な情報が分からない場合でも、デジタル化することによって解析できる可能性があります。これまで不明とされていた写真の詳細な情報が明らかになると、知的資産の価値向上につながります。



ガラス乾板をデジタル化するときの注意点

ガラス乾板をデジタル化する際は、劣化の状態が悪化したり、破損したりしないように十分注意する必要があります。デジタル化を行うときの注意点は、以下のとおりです。


劣化の状態を確認する

カメラ撮影またはスキャナーによる撮影を行う際は、ガラス板の欠けや変色、カビの浸食などの劣化の状態を確認します。

1枚ずつ劣化の状態を確認することで、デジタル化の作業について安全性を高められます。また、劣化の状態を記録しておくと保存履歴のデータを残せるようになるため、現物の維持管理に役立てられます。


慎重かつ丁寧に取り扱う

カメラやスキャナーによるデジタル化を行う際には、傷付けないよう慎重かつ丁寧に取り扱う必要があります。

ガラス乾板はガラスでできている性質上、破損しやすいことが特徴です。特に現物に接触させてスキャンを行う場合は、ガラス乾板への傷や欠けが発生する可能性があるため、注意が必要です。


▼ガラス乾板の取り扱い方

  • 手袋を着用する
  • 持ち運びは両手で持って行う
  • 落下に備えて低い机で作業する
  • 床に緩衝マットを敷く
  • 温度や湿度などの作業環境に注意する


デジタル化後は適切な環境・方法で保管する

デジタル化したあとは、貴重なガラス乾板の劣化を抑制するために適切な環境・方法で保管することが重要です。

古くから保管されているガラス乾板は、収納されている専用木箱も古く劣化している場合があるため、ガラス乾板だけでなく箱の取り扱いにも注意が必要です。


▼ガラス乾板の保管方法

  • 湿度・温度を管理する
  • 施錠可能な耐火式保管庫で保管する
  • 保管庫では転倒防止措置を施す
  • 持ち出しの際は急激な環境の変化をなるべく避ける



まとめ

この記事では、ガラス乾板のデジタル化について以下の内容を解説しました。


  • ガラス乾板をデジタル化する重要性
  • ガラス乾板をデジタル化するメリット
  • ガラス乾板をデジタル化するときの注意点


ガラス乾板をデジタル化することで、現物の劣化・破損を抑制できるほか、情報収集・検索や情報の解析がしやすくなるメリットがあります。

カメラやスキャナーを用いてデジタル化する際は、劣化の状態を確認したうえで慎重かつ丁寧に取り扱うこと、現物を適切な環境・方法で保管することが大切です。

デジアカ』では、ガラス乾板を含む貴重資料のデジタル化をサポートしております。劣化や破損の状態を確認したうえで、現物に負担をかけない安全な方法でデジタル化を行い高品質なデジタル画像を作製します。


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