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光ディスクの取り扱い、保管方法のポイント

デジタル化したデータを格納する記録媒体は様々な種類がありますが、今回は記録媒体の中で多く利用されている光ディスクについて、取り扱いの注意点や保存方法についてまとめました。

目次[非表示]

  1. 1.光ディスクの種類
  2. 2.光ディスクの仕組み
  3. 3.正しい取り扱い方法
  4. 4.適切な保管方法
  5. まとめ
  6. 参考URL


デジタル化したデータを格納する記録媒体は様々な種類があります。その中でもHDDより安定した記録媒体として光ディスクが記録媒体として選択されることが多くあります。

しかし、間違った取り扱いをしたり、適切に保存されていないと大切なデジタルデータを利用することができなくなってしまうかもしれません。

今回は光ディスクの正しい利用方法、保存方法のポイントについて確認してみましょう。


1.光ディスクの種類

デジタルデータの記録媒体として採用されることが多い主な光ディスクはBD-R、DVD-R、CD-Rと「〇〇-R」と語尾に「ーR」がついている光ディスクになります。

語尾の「-R」はRecordable(レコーダブル)を指し、1回のみ書き込み可能な光ディスクとなり、資料のデジタル化等においてデジタルデータが作製された際に採用される記録媒体になります。

※「〇〇-ROM」はRead Only Memory(リードオンリーメモリー)となり、販売されている音楽CDやソフトウェアなど書き込みができない光ディスクです。


2.光ディスクの仕組み

光ディスクは記録面に光の反射率が変わるような微小部分(ピット)を形成することで情報を記録するメディアです。

正しく読取機器で光ディスク記録面の情報を読み取ることが大切になりますので、記録面への負荷を軽減させるように光ディスクを維持管理していくことが重要となります。


3.正しい取り扱い方法

①光ディスクの記録面には傷、指紋、汚れ等がつかないように、光ディスクのセンターホール(光ディスクの中心にある円)と淵に指をかけて取り扱うようにしましょう。

②光ディスクは曲げたり落としたりしないようにしましょう。

③読取機器が発する熱などの影響で、光ディスクの変形などが発生する場合がありますので、光ディスクを長期間読取機器内に放置しないようにしましょう。

④光ディスクへは保護シートやラベル等を貼付しないようにしましょう。

光ディスクにラベルなどを貼りますと、回転中のディスクの重心がずれ、高速で回転した時にバランスがくずれて振動が発生し、正常に記録、再生できないことがあります。

またラベルの糊の影響でディスクに反りが生じたり、読取機器内でラベルが剥がれてしまい、記録や再生に支障をきたすだけでなく、読取装置や光ディスクが破損してしまう恐れがあります。

⑤レーベル面に文字を記入する場合は先の柔らかい油性フェルトペンなどを用いるようにしましょう。

ボールペンなど硬いペンを使用すると、反射層や記録層に傷を付ける恐れがあり、記録内容が読み取れなくなる恐れがあります。

⑥記録面に汚れ、ホコリが付着した場合は、メガネ拭きのような柔らかい布で、光ディスクの内から外へ(ディスクの中心から外周に向かって)直線的に軽く拭きとるようにしましょう。

⑦機密性が高いデータが記録された光ディスクを廃棄する場合、光ディスクを破壊して廃棄することがあるかもしれません。

その場合光ディスクを割って破壊することは、光ディスクを割った際に小さな破片が飛び散り大変危険ですのでやめましょう。

光ディスクの破壊については、市販の光ディスク用廃棄処理器具の使用をお奨めします。


4.適切な保管方法

①光ディスクの記録面やレーベル面を傷・ホコリから守るために、ディスク専用のケースに入れて保管しましょう。ケースに入れて保管することで、ディスクが変形することも防止できます。

②光ディスクが直射日光に長時間当たりますと、記録層が劣化し正常に再生できなくなる恐れがあるため、保管場所は直射日光が当たらない場所を選びましょう。

③ホコリの少ない環境で保管しましょう。

④書架などに保管する場合には、地震などで書架が揺れても排架物が床に落ちないような落下防止が施された書架で保管しましょう。

⑤温度15℃~25℃、湿度40%~60%が維持できる環境で保管しましょう。


まとめ

デジタルデータの記録媒体として、比較的安定しており安価で利用できる光ディスクですが、正しく取り扱い、適切な保存方法ができないと、利用できなってしまうかもしれません。

光ディスクに記録した大切なデジタルデータを安心して利用できるように、本コラムを参考にしていただければ幸いです。

光ディスクを含む様々なデジタルデータ記録媒体の保存についてのコラムもご参照ください!

「デジタル記録媒体の保存について考える」


  デジタル記録媒体の保存について考える 今回はデジタル化作業で、選ばれてきた記録媒体とそれらの長期保存について考えてみました。 デジアカ


参考URL

1)  国立国会図書館 デジタル資料の長期保存に関する基礎知識1―記録媒体の特性の違いや課題を理解する―

https://www.ndl.go.jp/jp/library/training/remote/pdf/shiryo_remote_digi_preservation1.pdf

2)一般社団法人日本記録メディア工業会 光ディスクの取扱い上の注意 平成23年


Hasegawa
Hasegawa
ニチマイの営業担当です。デジタルアーカイブに関して少しでも皆様のお役に立てるようにがんばります!