
劣化マイクロフィルムのデジタル化作業における注意すべきポイント!
劣化しているマイクロフィルムのデジタル化作業と、劣化していない作業での作業的な違いや、注意すべきポイントについてです。
ここでの劣化はビネガーシンドロームを発症したTACベースのマイクロフィルムとしています。
ビネガーシンドロームとは、経年による加水分解によって、酢酸が発生し、酢酸臭・波打ち・べとつきなどの症状を指します。
症状が進むと、最終的にはベースの破壊を引き起こし、使用不可能なフィルムになってしまいますので、注意が必要です。
マイクロフィルムについては、以下の記事を参照してください。
↓↓↓マイクロフィルムとは何ですか? ↓↓↓
作業手順
作業手順は両者ともに、基本変わりはありません。
初めは、対象となるフィルムの状態確認作業となります。
確認作業にて、直接デジタル化できるフィルムであるかの判断も可能となります。
劣化フィルムの場合は、基本対象フィルムからネガ状の複製フィルムを作製して作業を行います。
デジタル化作業では、ともにサイズや解像度、階調など定められた仕様にあわせて入力を行います。
画像検査も作業内容が変わることはないです。
確認作業
フィルムの確認作業は、リワインダーと呼ばれる手動のフィルム巻き機を使用して行います。
劣化していないフィルムは、撮影状態の確認や接着箇所の確認などが主な作業項目です。
劣化で酢酸臭を発している様なフィルムは、フィルムの弾力性や湾曲ぐあい、波打ちの程度などをあわせて確認します。
劣化しているフィルムでは、複製フィルムを作製してデジタル化作業を行うことが一般的です。
劣化の激しいフィルムは平面化処置を施すことで、デジタル化作業が可能になることもあります。
【劣化マイクロフィルムの確認作業】
複製作業
マイクロフィルムは、撮影してできたネガフィルムをマスターフィルム(保管用フィルム)としてきました。
フィルムの活用は、マスターフィルムから複製フィルムを作製して、利用するようにされています。
これは利用することで、マスターフィルムに傷が入ると復元できないので、その様な利用方法がすすめられてきました。
デジタル化作業では、劣化していない場合は、複製フィルムを作製しない作業も増えきました。
劣化で湾曲や波打ちしたフィルムは、スキャニング時の密着が不十分となり、ピント不良のブレた画像データが散見することになります。
複製作業では、劣化度合いの程度にもよりますが、引っ張る力によってフィルムの十分な密着を得られることで、ブレがないフィルムを作製できます。
【マイクロフィルムの複製作業】
デジタル化作業
デジタル化作業は、画像の入力と検査が主な作業工程となります。
デジタル化作業においては、劣化のある、なしで作業項目が変わることはありません。
入力作業においては、全体的な設定とフィルム毎の設定を的確に行うことが重要です。
検査作業は、ツールの有効活用と、画像を表示させての目視検査を行います。
入力作業の設定や検査項目については、以下の記事を参照してください。
↓↓↓マイクロフィルムのデジタル化 -ポイントとなる作業について-↓↓↓
まとめ
劣化マイクロフィルムのデジタル化作業では、スキャニングを行うフィルムの平面性が確保されているかが、注意すべきポイントです。
平面でないとスキャニング時の密着が不十分となり、ピント不良のブレた画像データが散見することになります。
作業的な違いは、複製フィルムを作製するか、しないかになります。
どちらを選択するにしても、確認作業は重要な作業工程です。
複製作業でも、平面性が確保できない場合は、別作業として平面化処置を施して作業を行うこともあります。
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