資料の電子化を行うメリットとは? 担当者が押さえておきたいポイントと注意点
官公庁・自治体・図書館・民間企業では、さまざまな文書や貴重書、資料などが保管されています。
紙媒体の資料を保管・管理している場合、経年劣化や紛失、破損のリスクがあるほか、検索が難しい、資料の利活用が進まないなどの課題が生まれやすくなります。
このような課題を解決するための手段の一つに、資料の電子化が挙げられます。膨大な資料を管理している自治体や企業においては、「資料の電子化によってどのようなメリットがあるのか」「どのように電子化するとよいのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、資料を電子化するメリットや注意点、具体的な方法について解説します。
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資料の電子化とは
資料の電子化とは、紙媒体の資料をパソコンやスマートフォンなどで保存・閲覧できるように、PDFまたは画像ファイルなどの電子データに変換することです。
官公庁・自治体・図書館・民間企業では、公文書や貴重書、図書、写真資料などのさまざまな資料が保管されています。紙媒体で管理している場合には、以下のような問題につながりやすくなります。
▼紙媒体による資料管理の問題
- 劣化や破損のリスクがある
- 資料の分類・保管に労力がかかる
- 資料が膨大になる場合、目録化が難しい
- 情報公開請求や情報利活用の依頼に迅速に対応できない
このような問題を解決するためには、資料の電子化が有効です。内閣府でも、博物館・美術館や図書館、中小企業といったあらゆる事業において、電子的な方法で資料管理を行うことを推進しています。
資料の電子化を行うメリット
資料の電子化を行うことによって、情報資産の保護や利活用の促進につながることが期待できます。主なメリットは、以下のとおりです。
①現物資料の破損・汚損・紛失を防げる
1つ目のメリットは、現物資料の破損・汚損・紛失を防げることです。
紙媒体の資料を活用する場合、人が触ったり、回覧したりすることによって破損や汚損のリスクがあります。また、資料の持ち出しや保管場所の間違いによって、紛失してしまう可能性もあります。
資料の電子化を行うことで、現物の資料を利用する必要がなくなるため、貴重な情報資産を保護できるようになります。
②検索性が向上する
2つ目のメリットは、検索性の向上です。
貴重書や公文書、図書などを紙媒体で保存する場合、保管庫から必要なファイルを取り出して、目視によって資料を探す必要があるため、時間・労力がかかります。
目録化されていない場合には、膨大な資料のなかから必要な情報を探すことが難しいケースもあります。
資料の電子化を行えば、パソコンまたはスマートフォンなどを用いて、資料のカテゴリや保存年月日、ファイル名などから目的の資料を検索できるようになります。これにより、紙媒体よりも迅速に資料を探し出すことが可能です。
③情報の利活用による価値向上を図れる
3つ目のメリットは、情報を利活用することによる価値の向上です。
紙媒体でしか閲覧できなかった資料を電子化することで、関係者間での情報利活用が進むほか、外部へのWeb公開を行いやすくなります。これにより、資料の価値向上が図れます。
以下では、民間市場と文教市場における資料の電子化の利活用例を紹介します。
▼資料の電子化の利活用例
民間市場
社史に関する資料を電子化して社内に共有すると、社員教育に役立てられるほか、社員の忠誠心・一体感の醸成につながります。また、企業の歴史・ストーリーなどを社外に公開して、企業への信頼獲得やブランディングにも活用できます。
文教市場
貴重書や歴史文書などを電子化して、現場での展示に電子画像またはレプリカを利用したり、Web公開したりするといった活用方法があります。
資料を安全に保存できるようになると、原本の資料を後世に残すことが可能です。また、国民共通の財産として体系的な保存・情報共有を行えるようになり、国民の利用に役立てられます。
資料の電子化を行う際の注意点
資料の電子化を行う際は、以下の注意点があります。
▼資料の電子化の注意点
- 再現性を確保する
- セキュリティ対策を講じる
- データの項目・仕様を標準化する
資料の電子化を行う際は、必要に応じて表示・印刷をして、紙媒体と同じように確認できるようにすることが重要です。そのためには、特定のIT機器やソフトウェアの依存度が低く、長期保存できるフォーマット(PDF/A等)に変換して保存する必要があります。
また、不正アクセスや過失・故意によるデータ改ざん・削除などを防ぐために、電子化したデータのセキュリティ対策が求められます。
▼セキュリティ対策の例
- ネットワークのセキュリティ監視を行う
- 保存データへのアクセスログ・変更履歴の記録を行う
- 管理者権限を設定する
さらに、電子化したデータを適正に保存して、管理・利活用しやすい状態にするために、データの項目や形式、仕様を標準化することも重要です。
資料の電子化には『デジアカ』が有効
資料の電子化を実施するには、スキャナーまたは複合機で紙媒体の資料を読み取り、PDFファイルやデジタル画像に変換する必要があります。
「電子化したい資料が膨大にある」「劣化が進んでおり、読み取り精度に問題がある」という場合には、安全かつ高品質なデジタル画像を作製する『デジアカ』の利用がおすすめです。
デジアカの資料デジタル化サービスでは、さまざまな年代・形状の資料をデジタル化することが可能です。創業70年にわたって培った技術と、高性能な専用機器の活用によって、お客さまの大切な資料をデジタル画像化します。
▼デジアカの特徴
- 資料の劣化・破損状態に適したデジタル化作業
- 資料の色や細部まで再現可能な高性能な入力機器の使用
- 人の目と専用ツールによるデジタル画像の品質検査
詳しくは、こちらをご確認ください。
まとめ
この記事では、資料の電子化のメリットについて以下の内容を解説しました。
- 紙媒体で資料を管理する問題
- 資料の電子化を行うメリット
- 資料の電子化を行う際の注意点
- 資料の電子化に有効なデジアカについて
資料を電子化することで、現物資料の破損・汚損・紛失を防げるほか、検索性の向上、情報の利活用による価値向上などのメリットが期待できます。
ただし、電子化して利活用するためには、見読性を確保するとともに、セキュリティ対策を行う、データの項目・仕様を標準化することが必要です。自社での対応が難しい場合には、外部のサービスを活用することがおすすめです。
『デジアカ』では、紙媒体の貴重資料や刊行物、図面などを電子化するサービスを提供しております。詳しいサービス内容や費用などについては、こちらからお気軽にお問い合わせください。
なお、資料を電子化して発信・公開する際に役立つデジタルアーカイブについては、こちらの記事で解説しています。