青焼き図面はデジタル化すべき? 古地図や絵図も含めた大判資料をデジタル化するメリット
かつてはA1(594×841mm)以上の図面を複写する際によく用いられていた青焼き図面。青焼き図面や絵図、古地図などの大判資料のなかには、貴重な文化的資料として価値のある資料も存在します。
文化的資料を扱う団体や企業の担当者さまのなかには、「所蔵している青焼き図面をデジタル化する必要はあるのか」「古地図や絵図のような大判資料についてはどうなのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、青焼き図面を含む大判資料をデジタル化するメリットや具体的な方法について解説します。
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青焼き図面とは
青焼き図面とは、製版フィルムを感光紙に焼きつけて作成する校正紙のことです。文字や線画などの描画部分が青くなることから、青焼き図面と呼ばれます。
青焼き図面には、低コストなことや原版との寸法誤差が少ないこと、改ざんが難しいことなどの特徴があり、古くから地図・設計図などに用いられてきました。
しかし、感光紙は変色しやすく、一般的なコピー用紙よりも劣化しやすいため、長期保管すると一部が破損したり、読みにくくなったりすることがあります。貴重な文化的資料を長期にわたって利用するためには、デジタル化が望まれます。
青焼き図面を含む大判資料のデジタル化によるメリット
博物館や図書館に保管された青焼き図面をはじめ、絵図、古地図のような大判資料をデジタル化することで、さまざまなメリットが期待できます。
①現物資料の劣化を抑制できる
1つ目のメリットは、現物資料の劣化を抑制できることです。
絵図や古地図のような大判資料は、保管年数が長くなるにつれて破れ・日焼けなどによる傷みが進み、経年劣化がさらに進んでいきます。
貴重な資料をデジタル化して、博物館や図書館ではデジタル画像を閲覧できるようにすれば、現物資料を閲覧・使用する機会を減らすことが可能です。これにより、現物資料の劣化や破損を抑制できるほか、さまざまな利用者の手に渡ることによる紛失のリスクを防止できます。
②複製が容易になる
2つ目のメリットは、複製が容易になることです。
紙媒体の古地図や絵図では、複製が必要となるたびにコピーを作製する必要がありますが、デジタル化された資料についてはパソコンやプリンターがあればすぐに複製することが可能です。
複製が容易に行われるようになれば、博物館や図書館、自治体などにおいて貴重資料の展示が可能になり、利活用の幅がさらに広がることが期待できます。
③広く公開できる
3つ目のメリットは、貴重な資料を広く公開できることです。
青焼き図面をはじめとする大判資料をデジタル化することで、インターネットを介して情報を公開できるようになります。情報の保存方法や公開範囲によっては、誰でも・いつでも・どこでも利用できる状態にすることも可能です。
貴重な資料が多くの人の目に触れることで、あらゆる企業や団体における研究調査の促進、成果物の創出につながると期待できます。
青焼き図面を含む大判資料をデジタル化する方法
青焼き図面をはじめとする大判資料をデジタル化する方法には、以下の2つがあります。
▼大判資料をデジタル化する方法
- 自分たちでスキャニングする
- 専門企業に外部委託する
大判資料を自分たちでデジタル化するには、大判に対応できるスキャナが必要です。また、現物資料の状態に応じて折れ・しわ伸ばしを行ったり、ステープラを除去したりする必要があるため、専門的な技術が求められるほか、時間や労力がかかります。
より効率的かつ安全にデジタル化を進めるには、専門企業に依頼することも一つの方法です。専門企業に依頼することで、現物資料の状態に応じた方法でスキャニングを行い、安全かつ高品質のデジタル画像を作製してもらえます。
「古地図や絵図の劣化が進んでおり、自分たちでのスキャニングが難しい」「複製のために色や細部の再現性を高めたい」という方は、高い技術と高性能な機器を備えた専門企業への依頼がおすすめです。
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まとめ
この記事では、青焼き図面のデジタル化について以下の内容を解説しました。
- 青焼き図面の概要
- 青焼き図面を含む大判資料をデジタル化するメリット
- 青焼き図面を含む大判資料をデジタル化する方法
青焼き図面や絵図、古地図のような大判資料をデジタル化すると、現物資料の劣化を抑えられる、複製がしやすくなる、広く公開できるなどのメリットがあります。
博物館や図書館などに保管された貴重な資料を長期にわたって利活用できるようにするためにも、デジタル化することが望まれます。
デジタル化にあたっては、スキャナを用意して自分たちで行う方法がありますが、精度に問題があったり、時間・労力がかかったりする課題があります。貴重な資料を安全かつ高品質でデジタル化するには、専門企業への依頼がおすすめです。
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なお、資料の電子化についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。