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安全なデジタル化のために必要な文書とは

資料のデジタル化を計画的に事故なく安全に進めるためには、様々な文書が必要になります。

デジタル化を行う際に必要になる文書とはどのようなものがあるでしょうか。

目次[非表示]

  1. 1.仕様書
  2. 2.作業計画書
  3. 3.作業進捗報告資料
  4. 4.課題管理資料
  5. 5.疑義管理資料
  6. まとめ
  7. 参考URL

資料のデジタル化を安全に行うためには、様々な文書が必要になります。

デジタル化作業そのものを定めた文書や、作業の進み具合を把握するための文書など。

今回はデジタル化作業を行う際に必要となる文書をいくつか紹介します。



1.仕様書

デジタル化作業に係る全般を定めた資料になります。デジタル化作業を発注する側と、受託側の委託業者さんで共通認識を持つためにとても大切な資料になります。

仕様書を基に委託業者さんは作業に必要な費用を積算することになりますので、必要事項が漏れなく記載されている必要があります。

仕様書に記載される主な事項は以下の通りです。


①デジタル化対象資料に関する情報(資料形態や数量等)

②デジタル化の方法や注意点(資料の取り扱いや画像の取得方法、使用する機材の決まり等)

③作製されるデジタル画像データの仕様(画像フォーマットや読取解像度、階調、納品メディア等)

④その他作業に係る事項(納期、作業に必要な規格類、情報セキュリティに関する取り決め等)

仕様書を一から整えるのは大変という方はこちら

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仕様書の作成にあたっては、仕様書に記載される事項には誤りがないことを確認し、安全にデジタル化作業を進めるために必要と考えられる事項を記載することが大切です。


2.作業計画書

デジタル化作業を開始する前に、デジタル化作業を依頼する側と受託する側で作業に関して共通認識を持つことが大切になります。

そのため、作業開始前に、仕様書に基づいて作業日程や作業体制、作業手順や検査方法などが記された作業計画書を作成します。

作業計画書の作成はデジタル化作業を受託した委託業者さんが行い、計画された作業日程等によって関係者で今後の予定や必要となる動きや課題を検討しますので、作業開始前までに定めることになります。

作業計画書に記載すべき内容は、工程別の作業予定、使用する機材、作業手順、デジタル化対象資料の保管方法、情報管理の方法等

また、作業にあたって仕様書記載通りの作業内容及び成果物となっているか、作業計画書に記載されている内容から委託業者さんの理解度等を確認することが可能になりますので、注意して作業計画書の内容を確認するようにしましょう。


3.作業進捗報告資料

デジタル化作業の進捗状況を把握及び管理するための資料になり、この資料はデジタル化作業を受託した委託業者さんが行います。

委託業者さんより定期的にデジタル化作業の各工程の進捗状況や遅れが発生している場合には、その原因と解決方法などを作業進捗報告資料によって提示してもらうことにより、計画通りデジタル化が実施されているか確認が可能となります。

デジタル化作業が計画通り進んでいない場合には、原因と解決方法及び予定に戻る時期等を委託業者さんと協議して、デジタル化作業が計画通りに進行するようにします。

作業に遅滞等が発生した場合には、早めに問題の解決が求められますので、なるべく細かい進捗の報告を受けたいところですが、進捗の報告にあたっては、数量の集計や報告書の取りまとめなどが必要となりますので、短い期間での進捗報告となりますと委託業者さんの負担も大きくなってしまいます。

委託業者さんの負担を考慮しますと、進捗の報告を行うタイミングについては、作業規模や作業期間にもよりますが、週1回、2週間1回、月1回などが多いようです。

作業進捗報告資料では、主な工程ごとに目標処理数と実績処理数、累計目標処理数と累計実績処理数等が一覧になっていて、進捗状況が分かりやすい内容になっていることが大切です。


4.課題管理資料

デジタル化作業では様々な課題や問題が発生することがあります。特に規模が大きくなるデジタル化作業では、関係者や関係部署も多くなり課題を共有して取り組むことが非常に大切になります。

そのため、関係者が課題を把握しやすいように課題管理資料として共有することが一般的です。

課題管理票では課題や問題の内容、分類、記載日、解決目標の期限、完了日、担当者名等を一覧にして、分かりやすくまとめられているとよいでしょう。

課題や問題を一覧にまとめておくと、解決するために必要な行動といつまでに誰が行うことが一目でわかるようになるので、遅滞なく安全にデジタル化作業を進めることが期待できます。

また、デジタル化作業で発生した課題や問題は今後のデジタル化作業でも共通する事項も多くありますので、課題や問題を取りまとめた資料があると、デジタル化作業が終了したあとも次回のデジタル化作業を検討する上で役に立つ資料となります。


5.疑義管理資料

デジタル化作業で発生する疑義を取りまとめた資料になります。

作業上発生した疑義を取りまとめることにより、類似の疑義が発生した場合には、過去の疑義回答に基づいて疑義への対応が可能となります。

そのため、委託業者さん側の問い合わせの手間と回答する側の手間も軽減することが期待できます。

疑義管理資料では疑義の分類、該当資料、内容、疑義提出日、回答内容、回答者等を一覧で取りまとめるようにします。

疑義管理資料に取りまとめられた資料の提出方法や提出先、提出時期については疑義照会フローとして事前に取り決めておくとよいでしょう。

疑義は日常の作業で発生して、疑義の回答によって作業方針が決まることもあります。

そのため、疑義の多くはその日中もしくは翌営業日早々までには、委託業者さんがメールやタスク管理ツールにより疑義管理資料を回答側担当者さん等に送付してもらいます。

疑義を受け取った担当者さんは回答を疑義管理資料へ反映し、委託業者さんに返信する等迅速に行える疑義照会フローを検討するようにしましょう


まとめ

いかがでしたでしょうか。安全にデジタル化を行うためには、様々な文書が必要になることが分かってきました。

これらの文書は今計画しているデジタル化作業で必要になるだけでなく、今後予定されるデジタル化を計画する際にも改善点や問題点の洗い出しに役立つ文書となりますので、しっかり整えたいところです。

しかし、文書の種類が多くポイントを絞り切れない等で悩んでしまうこともあるかもしれません。

そんな時はデジタル化作業について経験豊富な専門業者さんに相談してみましょう。具体的なアドバイスだけでなく今後の方針についても相談にのってもらえるはずです!  

参考URL

国立国会図書館資料デジタル化の手引2017年版

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10341525_po_digitalguide170428.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

Hasegawa
Hasegawa
ニチマイの営業担当です。デジタルアーカイブに関して少しでも皆様のお役に立てるようにがんばります!