
最終オーダー期限が迫る今、あらためて確認するマイクロフィルムのメリットとは?
当デジアカブログやウェビナーでもお伝えをしてきましたが、マイクロフィルム感光材料(感材)の最終オーダー期限まで残り数か月となりました。
※マイクロフィルム感光材料(感材)の製造メーカーである富士フイルム株式会社より、マイクロフィルムは2025年12月26日、マイクロフィルム処理薬品は2026年3月27日を最終受注日として供給を終了するということが公式発表されております。https://www.fujifilm.com/jp/ja/business/data-management/microfilm(富士フイルム株式会社ホームページより該当ページ)
マイクロフィルム感材を必要とする場合は最終オーダー期限までに発注する必要があります。
最終オーダー期限以降に、やっぱり「マイクロフィルムが欲しい!」となっても間に合いません。
急速にデジタル化が進む中、アナログ媒体であるマイクロフィルムは過去の遺物のように思われがちですが、マイクロフィルムの技術には数多くのメリットが存在します。
マイクロフィルムのメリットを改めて確認し、マイクロフィルムの必要性を考えましょう。
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圧倒的な長期保存性
マイクロフィルムの保存実績は100年を超えており、ISO規格での期待寿命は500年とされています(適切な保存環境下において)。
マイクロフィルムについては、TACベースフィルムにおいて劣化問題(ビネガーシンドローム)が起きたため、「マイクロフィルム=数十年で劣化するもの」というイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、現在製造されているPETベースフィルムでは基本的にビネガーシンドロームは起こりませんので、適切な保存環境下であれば500年という超長期保存も期待できます。
一方、デジタルメディアの保存実績は数十年程度であり、長期保存媒体も確立されているとは言えず、マイクロフィルムと比較すると圧倒的が差があります。
また、アナログであるマイクロフィルムの場合は一部が破損しても残りの大部分の情報がそのまま残りますが、デジタルメディアは媒体が破損や劣化した場合、たった一部の破損で全てのデータが壊れてしまうこともあります。
そのため、長期間資料の安定した保存が求められるアーカイブ機関や公的機関では、今でもマイクロフィルムの長期保存性、安定性が重宝されています。
気密性の高さと可読性
マイクロフィルムは独立したメディアのため、不正アクセスなどによる攻撃を受けることはなく高い気密性を保っています。
デジタルの場合は常に内部や外部からの不正アクセスやウイルス対策などに注意する必要がありますが、マイクロフィルムであれば物理的にフィルムを持ち出されない限りそのようなリスクは生じません。
また、マイクロフィルムは可視メディアのため利用機器に大きく依存せず閲覧することが可能です。ルーペなどがあれば肉眼でも情報を確認することができ、アナログ手段で情報を読み取ることができます。
これは、災害時やシステム障害時にも資料へのアクセスが可能であるという大きなメリットであり、実際過去の震災時(阪神淡路大震災、東日本大震災)にも利用され現在に至ります。
デジタルデータが時代ごとに媒体やハードウェア、ソフトウェアに依存し続けることを考えると、気密性が高く独立したメディアであるマイクロフィルムの価値は計り知れません。
物理的な改ざんが困難
マイクロフィルムは非常に高倍率(文字などの情報を極度に縮小)で撮影されるため、一度撮影された後の改ざんが困難(万が一改ざんをしようとしても痕跡が残る)です。
そのため法的証拠能力が高く、国内外の裁判所でも原本と同等の証拠性が認められており、企業や公的機関などでも契約書や公文書の保存にマイクロフィルムを活用するケースが多くあります。
常に改ざんや修正のリスクがつきまとうデジタルデータに比べて、実質的に改ざんが不可能であるマイクロフィルムには、高い証拠性、信頼性が存在します。
マイクロフィルムの詳細について過去の記事はこちら↓↓
デジタルとの共存
マイクロフィルムのメリットについて上述しましたが、利便性についてはデジタルデータに敵いません。
デジタルデータとマイクロフィルムとではお互いにメリットデメリットがあるので、どちらかだけを選ぶのではなく、用途に合わせて選択することが重要です。
例えば、日常的に検索や閲覧をするような資料であればデジタルデータを活用する。普段利用することは少ないが、長期間保存する必要のある資料や機密資料はマイクロフィルム化する。といったかたちです。
マイクロフィルム、デジタルデータ、双方のメリットを活かし共存させることが理想の資料保存につながるのではないでしょうか。
マイクロフィルムの電子化について過去の記事はこちら↓↓
まとめ
マイクロフィルムのメリットについてあらためてご紹介いたしました。
デジタルデータにはない価値がマイクロフィルムには多く存在します。
繰り返しとなりますが、マイクロフィルム感材が手に入る期間はあとわずかとなっております。
この期間を逃すとマイクロフィルム感材を手に入れることは実質不可能となりますので、マイクロフィルムを新たに作製したい、劣化したマイクロフィルムをPETベースフィルムに複製しておきたい、新聞などのマイクロフィルム出版物を購入したい、などのご要望がありましたらお早めに当社までお問い合わせください。
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