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資料デジタル化の見積もりは何で決まる?費用を左右する7つのポイント

様々な資料や写真、フィルム媒体などをデジタル化したいと考えたとき、気になるのが「どのくらいの費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。

資料のデジタル化は、単純に「1枚○円」という定価で費用が決まるとは限りません。実際にはデジタル化にかかる費用の多くは、資料を取り扱い、スキャニングし、データを整理・確認するための人件費、つまり作業工数によって決まります。

そこで今回は、資料デジタル化の費用を左右する7つのポイントをご紹介します。


デジタル化の費用は「作業工数」が多くを占める

資料のデジタル化とは、スキャナーに原本を通すという作業だけではありません。

実際には、次のような様々な工程を踏んで成果物を作成します。

  • 資料の仕分けや事前整理
  • 留め具や綴じ具などの取り外し
  • 封筒からの抜き出し
  • スキャニング
  • 画像補正(必要に応じて)
  • OCRによるテキスト化
  • ファイル名の付与
  • フォルダ分け
  • メタデータの入力
  • 画像やデータの検査
  • 原本の復元

この中でも、特に費用に影響するのが、人が対応する必要のある作業です。

例えば、サイズや状態がそろった資料であれば連続して効率よくスキャニングできますが、サイズの異なる資料が混在していたり、破損した資料を1枚ずつ慎重に扱ったりする場合には、多くの時間が必要になります。

つまり、デジタル化の見積もりでは、

「何枚あるか」だけでなく、「1枚、1冊、1ファイルを処理するためにどのくらいの手間がかかるか」が費用を左右するポイントになります。

以下では、デジタル化費用を左右する7つのポイントを紹介します。


1.資料の種類

まず確認したいのが、どのような資料をデジタル化するのかという点です。

例えば、

  • A3程度までの資料
  • ファイルや簿冊に綴じられた資料
  • 製本された冊子
  • 大型図面
  • 古地図
  • 写真
  • ネガ・ポジフィルム
  • マイクロフィルム

など、資料の種類によって使用するスキャナーや作業方法は大きく異なります。

コピー用紙のような普通紙であれば、高速スキャナーを使用して効率よく処理できる場合が多くあります。一方、製本された資料や古い貴重資料、傷みやすい原稿などは、資料を損傷しないよう、1点ずつ状態を確認しながら慎重にスキャニングする必要があります。

また、資料によっては専用のスキャナーや撮影機材が必要になることもあります。

このように、資料の種類によって1点あたりの作業時間や必要な機器、取り扱い方法が変わるため、それらがデジタル化費用に影響します。


2.資料の数量

次に重要なのが、デジタル化する資料の数量です。紙資料の場合にはページ数、図面であれば枚数などで把握します。ただし、大量の資料では正確な枚数を事前に数えることが難しい場合もあります。

その場合には、

「キャビネット○本分」
「文書保存箱○箱分」
「書架○段分」

といった情報でも、おおよその数量を把握できることがあります。資料については、ファイルを並べた厚みを測る「ファイルメーター」で数量を推計する方法もあります。

業者から見積を取りたい場合には正確な数量が分からなくても、大まかな数量を伝えることで、概算費用を確認することができます。


3.原本のサイズや形状

同じ紙資料でも、サイズがそろっているかどうかによって作業効率が変わります。

例えばA4サイズだけで構成されている資料と、A1やA2などの大判資料やA4、A3等の混在、封筒、折り込み資料などが混在している資料では、後者のほうがスキャニング時の調整や仕分け作業が多くなります。当然規格外の資料もあるでしょう。

また、

  • 両面原本が多い
  • 折りたたまれた図面が含まれる
  • 小さな紙片が貼り付けられている
  • 薄紙や破損資料がある

といった場合にも個別対応が必要になることがあります。見積もり依頼時には代表的な資料の写真やサンプルを提示するとよいでしょう。


4.綴じ方の状態

紙資料のデジタル化では、スキャニングそのものよりも、その前後に発生する準備や復元作業に時間を要するケースがあります。

例えば、

  • 封筒から資料を取り出す
  • 留め具や綴じ具などを取り外す
  • 折れや破れなど、スキャニングに支障がある箇所を補修する
  • スキャニング後に元の状態へ戻す

といった作業です。

また、製本された資料では、綴じたままではノド部分の文字や図が十分に読み取れないことがあります。その場合には、スキャニング前に資料を解体する必要が生じることもあります。

解体作業は、単に綴じ具を外せばよいというものではありません。資料の構造や状態を確認しながら、できるだけダメージを与えないよう慎重に作業する必要があり、資料によっては専門的な知識や技術が求められます。

特に、古い資料や貴重資料をデジタル化する場合には、資料そのものを傷めないための慎重な取り扱いが不可欠です。そのため、業者を選定する際には、デジタル化の技術力だけでなく、資料の特性や劣化状態を理解し、適切に取り扱うための知識と経験を備えているかどうかも重要な判断基準になります。


5.イメージデータの仕様

どのようなデータを作成するのかも、費用を決める重要なポイントです。

確認しておきたい代表的な項目には、

  • PDF、JPEG、TIFFなどのファイル形式
  • カラー、グレースケール、白黒
  • 200dpi、300dpi、400dpiなどの解像度
  • 1ページ1ファイルか、冊子単位で1ファイルか

などがあります。

例えば内部で資料を閲覧することが目的であればPDFで十分な場合がありますが、貴重資料の保存が主な目的である場合には、高解像度のTIFFが求められることもあります。

必要以上に高い解像度や複雑な仕様を設定すると、費用が高くなるだけでなく、データ容量の増大などによって利用時の取り扱いに負担が生じる場合があります。そのため、利用目的を明確にしたうえで、用途に応じた適切な仕様を設定することが重要です。


6.OCR・ファイル名・メタデータの仕様

デジタル化した資料を「探して使える状態」にするためには、スキャニング以外の処理も重要です。

例えばOCRを行えば、画像として保存された資料内の文字をテキスト化し、全文検索できるPDFを作成できます。

また、「社内報_1974年12月.pdf」のようにファイル名にキーワードを付与する方法もあります。

さらにメタデータを作成することで、目的の資料を探しやすくなるだけでなく、資料の管理にも役立ちます。メタデータ項目には次のようなものが考えられます。

  • 資料ID
  • 資料名
  • 作成年
  • 出処
  • キーワード

こうした作業には一定の工数が必要で、文字数が増えれば増えるほどコスト増に直結します。特に紙面を確認しながら人が情報を読み取り、入力・確認する場合には、スキャニングだけの場合と比べて作業量が大きく増えます。そのためメタデータ項目は、必要な項目に絞っておくことが重要です。

当社ではこれらの入力費用をおさえるため、AIの技術を使ってキーワードを抽出し、メタデータの作成やファイル名の付与作業(リネーム作業)を行います。AI-OCRによる全文検索も可能です。納品前には人の目でもチェックするため品質面も安心です。詳細はこちらをご参照ください。


7.作業場所

機密性の高い資料や社外への持ち出しが難しい資料では、資料を業者に預ける方法ではなく、発注者の施設内にスキャナーや必要な機材を持ち込み、その場でデジタル化を行う「オンサイト作業」が必要になる場合があります。

オンサイト作業では、作業者の移動に加え、スキャナーやパソコンなどの機器の搬入・設置、作業場所の確保、ネットワークや電源などの作業環境の確認が必要になります。また、施設ごとの入退館ルールやセキュリティ手続きに対応しながら作業を進める必要があるため、通常の持ち帰り作業に比べて準備や運用面での負担も大きくなります。

さらに、オンサイト作業では作業者や機器をその現場に一定期間専従させることになるため、複数案件を並行して効率よく処理することが難しくなります。資料の数量が少ない場合でも、移動や機器設置など一定の準備工数=固定費が発生するため、1枚あたり、あるいは1案件あたりの費用は、通常の作業場への持ち込み作業と比べて割高になる傾向があります。

一方で、機密情報や個人情報を含む資料を施設外に持ち出さずにデジタル化できるため、情報管理を重視する場合には有効な方法です。見積もりを依頼する際には、資料の持ち出し可否や作業場所の条件についても、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。


費用だけでなく「デジタル化後の使い方」から考える

資料デジタル化の見積もりでは、どうしても「1枚いくらか」という単価に目が向きがちです。もちろんそれは重要なポイントですが、忘れてはならないのは、デジタル化した資料をその後どのように活用するかです。

単に保存するだけなのか、内部で共有するのか、外部に公開するのか、あるいは既存のシステムやデジタルアーカイブシステムで活用するのかによって、必要な解像度やファイル形式、OCRの有無、ファイル名、メタデータなどの仕様は変わります。

必要以上に高い解像度や複雑な仕様を設定すれば、その分作業工数や費用も増加します。一方で、費用を抑えることを優先し過ぎて必要な仕様まで省いてしまうと、目的どおりに利用できないデータが出来上がり、後から再スキャンやデータの作り直しが必要になることもあります。結果として、かえって余分なコストが発生しかねません。

そのため、見積もりを依頼する際には、資料の種類や数量だけでなく、「何のためにデジタル化するのか」「デジタル化したデータをどのように利用したいのか」を整理しておくとよいでしょう。

利用目的が明確になっていれば、必要以上の仕様を避けながら、目的に適したデジタル化仕様を検討でき、あわせて適正な費用も把握しやすくなります。


費用のご相談はこちらへ

ここまで、デジタル化の見積もりに必要となる主な情報をご紹介しました。しかし、資料の種類や数量、状態、利用目的などをあらかじめ整理するには、一定の手間や時間がかかります。

ニチマイはお客様先で実際の資料の状態を確認しながら、ご要望、利用目的を整理し、最適なデジタル化仕様のご提案からお見積りまで対応しています。

「何から整理すればよいか分からない」「どのような仕様が適しているか判断できない」といった段階でも問題ありません。資料のデジタル化をご検討の際は、お気軽にご相談ください。


まとめ

資料デジタル化の費用は、単純な枚数だけでは決まりません。資料の整理、スキャニング、データ加工、検査、復元などにかかる人的な作業工数多くを占めるため、次の項目が費用の主な算出根拠となります。

  1. 資料の種類
  2. 資料の数量
  3. 原本のサイズや形状
  4. 綴じや保管の状態
  5. イメージデータの仕様
  6. OCR・ファイル名・メタデータの仕様
  7. デジタルデータの使用目的

最後までお読みいただきありがとうございました。

Suzuki
Suzuki
微力ながらみなさんのデジタルアーカイブへの取り組みを、ご支援してまいります。どうぞよろしくお願いします。