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デジタルアーカイブの基礎知識とは。どのようなことに活用できるのか

デジタル技術の進展により、IoTやAIによるビックデータの活用、知識・情報の共有が進む社会が到来しています。そうしたなか、デジタルアーカイブはあらゆる組織・団体・文化的施設が保有する知的資産の共有基盤となり、イノベーションの源泉となることが期待されています。

しかし、国内におけるデジタルアーカイブの構築は一部の組織にとどまっており、貴重な知的資産の共有や利活用は十分に進んでいない状況です。

組織や団体の担当者のなかには「デジタルアーカイブを構築する意義は何なのか」「どのような活用方法があるのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

この記事では、デジタルアーカイブの基礎知識やメリット・デメリット、作り方、活用方法について解説します。


目次[非表示]

  1. デジタルアーカイブとは
  2. デジタルアーカイブを構築するメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  3. デジタルアーカイブの活用方法
  4. デジタルアーカイブの基本的な作り方
  5. まとめ


デジタルアーカイブとは

デジタルアーカイブとは、歴史資料・公文書・図書・出版物・美術品・博物品などの公共的な知的資産をデジタル化して、インターネット上で共有・利用できる仕組みのことです。

官公庁・自治体・民間企業・図書館・博物館などの団体・文化施設では、多種多様な知的資産が取り扱われていますが、これらの資料を活用するには特定の場所に足を運ぶ必要があります。

しかし、デジタルアーカイブを構築すると、資料をデジタル化して公開することで誰もがいつでもどこでも知的資産にアクセスできるようになります。


▼デジタルアーカイブの役割と構築する意義

  • モノやアナログな媒体で蓄積された知的資産をデジタル化する
  • 新たに生まれるデジタルな知的資産をストックして、次世代まで活用できるようにする

このように知的資産を収集・利用・創造・公開・共有して循環できる環境は、資料の新たな価値創出につながり、社会・文化の基盤となることが期待されます。



デジタルアーカイブを構築するメリット・デメリット

デジタルアーカイブを構築する際は、メリット・デメリットを理解しておく必要があります。


メリット

デジタルアーカイブを構築して知的資産を共有できる仕組みをつくることで、以下のメリットがあります。


▼メリット

  • 現物資料の破損・汚損及び劣化の進行を抑制できる
  • 資料の一元管理によって検索性が向上する
  • 時間や場所の制約がなく閲覧できる

紙媒体の資料や文化財をデジタル化して、デジタルアーカイブで閲覧・利用できるようになると、現物に接触する機会が少なくなり破損・汚損を防げます。貴重な現物資料を長期保存して、次世代へと残すことが可能です。

また、資料をデジタル化してデータベースで一元管理できるため、コンテンツの管理・検索がしやすくなり、スムーズな情報収集を実現します。図書館や文書館では、所蔵された膨大な資料へ容易にアクセスできるようになり、研究開発・教育に役立てられます。

さらに、デジタル化した資料をインターネット上に公開すれば、時間・場所の制約がなく閲覧することが可能です。美術館や博物館では、展示スペース・展示期間などの制約がなくなるため、これまで展示できなかった歴史的・文化的資料を多くの人に見てもらえるようになります。


デメリット

デジタルアーカイブの構築にあたっては、以下の点に注意する必要があります。


▼デメリット

  • データ消失のリスクがある
  • 著作権や肖像権に取り扱いに配慮する必要がある

デジタル化したデータは自然災害に対して脆弱なため、デジタルアーカイブのシステムが破損すると、デジタル化したデータが消失してしまうおそれがあります。くわえて、長期保存については、媒体移行などのマイグレーションが必要となります。

また、著作権の権利制限や肖像権に配慮が必要な知的資産があるため、事前に取り扱いについて確認して、二次利用・加工の制限を明記することが必要です。


なお、デジタルアーカイブのメリット・デメリットについてはこちらで詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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デジタルアーカイブの活用方法

デジタルアーカイブは、知的資産を保有する組織・団体・文化的施設においてさまざまな活用がなされています。

主な活用方法としては、以下が挙げられます。


▼デジタルアーカイブの活用方法

組織・施設

活用方法の例

民間企業

社史や社内報、写真などをデジタル化して、資料データ・画像を広報部門・人事部門による社内外向けの資料作成に使用する

自治体

市が所蔵する古写真・古文書などの歴史的資料をデジタル化して、デジタル画像・目録情報を一般公開することで、利用者の目的に応じて閲覧・利用できるようにする

図書館

  • 現物提供ができない資料をデジタル化して閲覧できるようにする
  • 図書館にある資料をデジタルアーカイブで検索できるようにする
  • 自館にない資料を他館で横断的に検索・閲覧できるようにする

美術館・博物館

  • 展示資料や文化財を高精細のデジタル資料・画像にして、現物展示では細部の確認が難しい資料をより詳細に見れるようにする
  • 目録の整理とデジタル画像の提供によって、研究利用やメディアでの二次利用をしやすくする



デジタルアーカイブの基本的な作り方

デジタルアーカイブを構築するには、モノや紙媒体で管理されていた資料・作品をデジタル化して、保存・公開する環境を整備する必要があります。

資料・作品をデジタル化する際は、スキャナーやカメラを用いてデジタルデータまたはデジタル画像を作製します。


▼手順

  1. 保存・蓄積・公開する情報資産を決める
  2. スキャナーやカメラを用いて情報資産をデジタル化する
  3. デジタルコンテンツを特定するメタデータを付与する
  4. 独自開発または既存のプラットフォームを活用して、デジタルアーカイブシステムを構築する


デジタルアーカイブの詳しい作り方については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

  デジタルアーカイブの作り方! 手順と利活用のポイント デジタルアーカイブとは、官公庁・自治体・図書館・民間企業などが所有する公文書や歴史文書、文化財などの情報資産を保存・公開する仕組みのことです。デジタルアーカイブを構築することで、紙媒体で保存していた資料のデジタル画像やコンテンツなどを閲覧したり、印刷またはダウンロードしたりできます。 情報資産が有効活用されると、国民の文化的活動や大学・研究機関での研究活動、産業界における新事業の展開、自治体での地方創生など、あらゆる分野で新たな価値創出につながることが期待されます。 組織や企業の担当者のなかには「どのような手順で構築するのか」「利活用しやすくするポイントはあるのか」などの疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。 この記事では、デジタルアーカイブの作り方とポイント、活用事例について紹介します。 デジアカ



まとめ

この記事では、デジタルアーカイブの基礎知識について以下の内容を解説しました。


  • デジタルアーカイブの意義
  • デジタルアーカイブを構築するメリット・デメリット
  • デジタルアーカイブの活用方法
  • デジタルアーカイブの作り方


デジタルアーカイブを構築すると、公共的な知的資産をデジタル化してインターネットで公開・共有することが可能です。現物資料の破損・汚損を防げるほか、検索性を向上できる、時間・場所の制約なく閲覧できるなどのメリットがあります。

構築する際は、システムの破損を防ぐための維持管理を行うとともに、知的資産に関する権利制限に配慮することが重要です。安全で利便性の高いデジタルアーカイブを構築するには、デジアカまでご相談ください。

デジアカ』では、デジタルアーカイブの構築をワンストップで支援いたします。現物資料の安全を第一に考慮したうえで、高品質かつ使い勝手のよいデジタルアーカイブをご提案いたします。


詳しくは、こちらの資料をご覧ください。

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