デジタルアーカイブを進めるための参考資料 ホワイトペーパーのまとめ記事!
『デジアカ』サイトを開設して約1年半が経ちました。
ご覧いただいている様々な機関の方々から多くの反響をいただいており、
その中でも参考情報をまとめているホワイトペーパーはたくさんの好評価をいただいております。
今回はデジアカサイトから提供しているホワイトペーパーと、その内容をまとめて紹介します!
目次[非表示]
デジタルアーカイブ成功の鍵!
パートナー選定のポイントとは?
紙の資料・画像・音声・動画などの情報をデジタル化し、目的に応じた様々な方法で利活用や発信をするデジタルアーカイブ。
従来からのアーカイブにおける物理的保管のみならず、デジタル化することで情報の検索性や共有性が飛躍的に向上します。
この進化により企業や教育機関、文化施設など、さまざまな組織や地域で取り組みが活発化しており、これからデジタルアーカイブに取り組みたいというご相談も増加しています。
デジタルアーカイブを進めるには複数の工程がありますが、技術的な知識や専門設備なども求められるため、自館・自組織ですべてを対応できないケースも多くあります。そのようなときに、専門的なサービスを展開している外部のパートナーに委託することを検討されるのではないでしょうか。
このホワイトペーパーではそのようなことを検討されている方々に、負荷の高いデジタル化作業などを外部に委託するあたって、気を付けたいポイントを紹介しています。
気を付けたいポイントその1:資料の取り扱い
お客様からお預かりした資料の取り扱いについて、作業者には次のようなことに留意するよう指導しています。
・作業場は清潔に保ち、刃物、テープなど破損の原因となるような不要なものは置かない。
・作業中はボールペンなどインクを使用する筆記用具の使用は避け、鉛筆やシャープペンシルを使用する。
・資料の近くに飲み物や食べ物を置かない。
・引っ張る、押し付ける、折り曲げるなど過度な負荷をかけない。
・落下リスクを考慮し、作業台の端ではなく、安定した場所で作業をする。
・劣化などにより破損の恐れがある資料は、監督者の指示を仰ぐ。
・離席時は解体した資料が飛んだりしないよう、重りやカバーなどを乗せる。
気を付けたいポイントその2:デジタル化した資料の利活用
デジタルアーカイブを依頼する際は、なるべく一つの会社に任せられると安心です。
資料のデジタル化はもちろん、目録やメタデータの作成、デジタルアーカイブシステムの選定・構築などです。
これらことをワンストップで依頼できると全体に一貫性が確保でき、アクセスしやすいデジタルアーカイブ環境が構築できます。
システムの業者はシステムを売りたい、デジタル化の業者は多くの資料をデジタル化したい、
そうした業者の都合だけで進めると、発注者はもちろん将来の利用者も誰一人幸せにはなりません。
資料の利活用や安全性などの観点で、中立な立場から提案をできる業者を選ぶことが重要です。
経年劣化したマイクロフィルムの救済対策
様々な資料をフィルム媒体に収録したマイクロフィルム。
幅広い業界・業種で昔から使用され、デジタルデータが主流となっている近年においても、多くのお客さまで情報を長期保存するメディアとして重宝されています。
期待寿命500年という特長を持つマイクロフィルムですが、保存環境等の影響によっては劣化が進行してしまいます。
長年マイクロフィルムを使用しているお客さまには、劣化に関するご心配・お悩みもあるのではないでしょうか。
このホワイトペーパーではそうしたご心配・お悩みのある方々に、劣化したマイクロフィルムの救済対策をご紹介しています。
マイクロフィルムの劣化とは?
マイクロフィルムの劣化の兆候として、最も多いのが酢酸臭(酸っぱい臭い)です。
さらに進行するとベタツキや白い粉の発生、変形などの症状も出てきます。
劣化したフィルムの状態や数量を調査する
劣化したフィルムと一口に言っても、その進行レベルには個体差があるため、
進行レベルに応じた対策が必要になります。
フィルムの進行レベルを調べ、そのレベルごとにどのくらいの量のフィルムがあるかなどについて調査をします。
調査は一次調査・二次調査の二段階に分けて行います。
一次調査では、フィルムの規格や劣化の進行度などを外観から調査します。
二次調査ではさらに踏み込んで、フィルムの劣化進行度を数値化して、その数値に応じて対策を決定します。
さらに対策が必要なマイクロフィルムの数量を算出し、救済策にどのくらいの費用が必要か試算します。
このようにして保有しているフィルムがどのような状態か、対策が必要なフィルムがどのくらいあるかなどを調査することにより、
劣化フィルムの救済に向けた道筋ができあがることになります。
もしかして劣化してる? マイクロフィルムからイヤなニオイを感じたら...
劣化したマイクロフィルムは、少しの切れ目があるだけでも複製作業中に破損してしまう恐れがあります。
一方で、切れ目がとても小さいと目視による確認では見逃してしまう可能性もあります。
劣化したマイクロフィルムの調査では、熟練の専門技術者が劣化マイクロフィルムの先頭から最後まで、指と指の間を通して切れ目など破損につながる箇所がないか触診確認を行なってから実施しています。
劣化したフィルムの救済対策
調査により判明した進行レベルに応じて、次のような対策を講じます。
・修復する
蛇行や歪みなどが生じているフィルムを修復して、複製や電子化ができる状態にします。
蛇行や歪みなどがあると複製や電子化をするための機械にかけられないためです。
マイクロフィルムが破損しないよう、安全な状態にしてから対策を講じます。
・複製を作る
劣化したフィルムから複製をとり、新たなフィルムを作成します。
現在のマイクロフィルムの素材は、相当に劣悪な環境下で保管しない限り劣化する可能性は低いため、複製を作れば半永久的に保存することが可能になります。
・電子化する
マイクロフィルムの専用スキャナを使用して電子化します。
電子化すれば手元のPCでの閲覧も可能になり、利便性は飛躍的に高まります。
千葉日報社さま 創刊号からのマイクロフィルム紙面をデジタル化!
ここで記した修復や複製については独自技術がありますので、そのあたりもこちらのホワイトペーパーでご確認ください!
画像フォーマットの疑問丸分かりガイド
資料をデジタル化する際、必ずと言ってよいほどファイルフォーマットや容量のご相談を受けます。
世の中には様々なファイルフォーマットが存在し、用途によって適切なものを選択しなければなりません。
このホワイトペーパーではファイルフォーマットや容量に関する疑問とその解決策について解説しています!
先述のとおり画像フォーマットには多くの種類が存在します。
主にはTIFFやPDF、JPEG、GIFなどです。
日常からよく使用しているものもあれば、あまり馴染みのないものもあると思います。
画像フォーマットについてはこちらの「国立国会図書館 資料デジタル化の手引き」のP.70にも記載があるのでご参照ください。
「国立国会図書館 資料デジタル化の手引き2017年版」参考資料 1 主な画像フォーマットの特徴
これらのうちどのような画像フォーマットを採用するか、それはどのような「用途」「容量」「画質」を求めるかによって異なります。
これらのメリット・デメリットを複合的に掛け合わせて検討する必要があります。
用途を軸に考える場合
「入力」「保存」「活用」のどれを目的にするかによって、ふさわしい画像フォーマットは異なります。
入力や保存の際には資料の再現性を、活用の際には公開の方法(オンライン化オフラインか)や展示の方法などから考えるとよいでしょう。
(導入事例)聖心女子大学さま WEB公開により大学の研究成果物の発信に貢献!研究論文雑誌『聖心女子大学論叢』のバックナンバーを大学図書館サイトから国内外に公開!
容量を軸に考える場合
データが高画質になるほど容量は大きくなる傾向がありますが、データ容量が大きすぎるとデータの送受信やインターネット回線などに負荷がかかります。
オンラインで画像データを利用するような場合は、画質(解像度)と容量を考慮しなくてはなりません。
またデータ容量に影響するのは解像度だけではありません。圧縮率やカラー階調も影響します。
このホワイトペーパーでは、原資料の大きさ別に解像度と階調などによって、データ容量がどのように変化するのかを一覧で示しています。
画質を軸に考える場合
貴重資料をデジタル化する場合は、できるだけその資料に忠実なデジタル画像を残しておきたいものです。
保存をメインで考える場合は、再現性の高い高精細な画像を作成するため、TIFFやRAWなど高解像度に対応したフォーマットで画像を作成します。
画像フォーマットごとのメリット・デメリットの一覧表も、このホワイトペーパーの中でまとめています。
また画像フォーマットでお悩みの方は、こちらの記事もご参照ください。
すぐに貴重資料をWeb公開できる『ふみかごSearch』とは
デジタルアーカイブシステムの導入には多くの費用がかかります。
小規模の図書館や博物館、地域の機関などは、多様なコンテンツを保有するものの、デジタルアーカイブシステムの導入はハードルが高いものです。
それでも内部に眠っている貴重な資料を、コレクションの世界観をそのままに「デジタルアーカイブを構築したい」「Webで公開したい」と考える方も少なくありません。
このホワイトペーパーではそのようなご要望に応えて作られたシステム、『ふみかごSearch』について解説しています。
サーバーの新規導入は不要!すぐに貴重資料をWeb公開できる『ふみかごSearch』とは
デジタルアーカイブシステムの導入を進めるためにはコストだけでなく、構築・運用するための専門知識を持つ人材の確保や、システムやアプリケーションを導入するための組織内での調整など、様々なハードルがあります。
そうした中『ふみかごSearch』なら、画像データやメタデータをWebサーバにアップロードするだけで、簡単に公開をすることが可能です。
またビューアーの工夫も施されているため、コレクションの世界観をそのままに公開・閲覧をすることができます。
『ふみかごSearch』はお持ちのコレクションを“簡単に”“早く”公開・閲覧ができる、簡便なデジタルアーカイブシステムです。
当社では画像データやメタデータの作成から、デジタルアーカイブサイトの構築までワンストップで対応しています。
(導入事例)東京音楽大学付属図書館さま 「伊福部昭デジタルアーカイブ」 寄贈を受けた自筆譜・自筆原稿をデジタル化、デジタルアーカイブサイトで公開!
まとめ
今回は『デジアカ』で掲載しているホワイトペーパーについて紹介しました。
『デジアカ』における基本姿勢は、常にお客様目線で中立なデジタルアーカイブサービスを提供することです。
来年も引き続き、デジタルアーカイブを進める方々の一助になれば幸いです。
そして来年2月頃に新たなホワイトペーパーをリリースします!
テーマは『デジタルアーカイブシステムの選び方 まるわかりガイド(仮題)』です!
「どのシステムを選べばいいのか分からない」といった方々向けに、デジタルアーカイブシステムの具体的な選定ポイントやよくある課題への対応策などを、具体的なソリューションを交えながら分かりやすく解説します。
ぜひご期待ください!