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新年度のデジタルアーカイブを成功に導くためのロードマップ

今年度もいよいよ年度末に差し掛かり、慌ただしい日々をお過ごしの方も多いのではないでしょうか。

この時期は、年度のプロジェクトを締めくくるのと同時に、4月から始まる新年度に向けた助走期間でもあります。

デジタルアーカイブは、単なる「デジタル化作業」ではなく、貴重な知的資産を未来へつなぐ長期的なプロジェクトです。

そのため、新年度が始まる「今」この時期の準備が、1年後の成果を大きく左右します。

今回の記事では、理想的なデジタルアーカイブを実現するために必要なロードマップの作成など、これからデジタルアーカイブを進める上でポイントとなる事項について説明します。

目次[非表示]

  1. 1.プロジェクトの骨子を固める「戦略的準備」
    1. ① 対象資料の徹底した「選定」と「状態把握」
    2. ②「出口戦略」から逆算するゴール設定
  2. 2.信頼できる「パートナー(委託業者)」の選び方
    1. ① 貴重資料の作業実績
    2. ② 専門設備の有無とセキュリティ体制
    3. ③ 公的認証と専門資格の有無
    4. ④ワンストップサービスの提供範囲
  3. 3. 年度替わりの課題「業務の引き継ぎ」をスムーズに
    1. ①デジタル情報の「整理整頓」
    2. ②「生きた引き継ぎ資料」の作成
    3. ③対話を通じた「意思の伝達」
  4. 4.予算確保と実行のスケジュール
  5. 5.まとめ

1.プロジェクトの骨子を固める「戦略的準備」

新年度のデジタルアーカイブ計画を立てるためには、まず「何を」「どこまで」行うのか、という大まかな骨子を固める必要があります。

ここを曖昧にしたままプロジェクトが走り出してしまうと、途中で予算が不足したり、仕様の変更などで余計なコストが発生したりするリスクが高まります。

① 対象資料の徹底した「選定」と「状態把握」

デジタルアーカイブの第一歩は、まず対象となる資料を選定し状態を把握することです。

ただ「古い資料がある」という認識だけでは不十分と言えます。

資料の種類と形態: 一枚もの、冊子(和綴じ、洋書)、巻物、マイクロフィルム、写真、図面などの大型資料など。

数量: 枚数、冊数、リール数など、具体的なボリュームを確認。

劣化状況: 酸化、カビ、虫食い、あるいはフィルムの加水分解(ビネガーシンドローム)などが進んでいないかを確認。

これらの詳細が事前に明確になっているほど、委託業者から精度の高い見積を得ることができ、プロジェクトはスムーズに動き出します。

また、委託業者がこれらの確認方法について助言などを行うこともありますので、委託業者が既に絞られている場合には先に相談したほうがプロジェクトが早く進む可能性が高まります。

②「出口戦略」から逆算するゴール設定

「デジタル化した画像をどのように使いたいか」という最終的なビジョンを固めることがデジタルアーカイブの計画を立てる上でも重要となります。

保存が目的: 高精細なマスターデータを作成し、長期保存に適した安全な媒体で保管する。

活用が目的: 検索機能を備えた閲覧システムを構築し、Webで一般公開する。

保存も活用も:上記2つを満たす計画を立てる。

例えば、作業開始後に「やっぱり公開もしたい」と思い立った場合、画像フォーマットの変換やシステムの再選定が必要となり、二度手間や追加費用が発生することがあります。

最初から「公開まで」というゴールを見据えた計画を立てることが、スムーズにプロジェクトが進むことに繋がります。

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2.信頼できる「パートナー(委託業者)」の選び方

デジタルアーカイブを成功させる鍵は、専門知識を持つパートナー(委託業者)選びにあります。

自前でスキャナーを購入して作業することも可能ですが、大量の資料や貴重書などを取り扱う場合は、経験豊富な専門業者への委託が一般的であり、賢明な選択となります。

委託業者を選定する際は、単なる「価格」だけでなく、以下の基準で評価することをお勧めします。

① 貴重資料の作業実績

大切な貴重資料を預ける相手として、過去にどのような資料をデジタル化してきたか、作業実績を確認しましょう。

事業実施年数や具体的な作業事例は、委託業者の信頼性を測る指標となります。

貴重資料の作業実施経験が豊富な委託業者であれば、資料の安全な取り扱い方法も熟知していますので、安心して作業を委託することが可能となります。

② 専門設備の有無とセキュリティ体制

資料に安全、かつ高品質なデジタル画像データ作成のためには、資料を傷めずに安全にデジタル化可能な高精細スキャナーなどの専門設備が不可欠です。

また、資料を預かっている間の保管体制(耐火式保管庫の有無など)や、建物内や作業エリア保管エリアへの入退室管理といったセキュリティ体制が完備されているかといった項目もチェックする必要があります。

③ 公的認証と専門資格の有無

情報の安全性と品質を担保するために、以下の認証を取得している委託業者を選ぶのが望ましいです。

ISO9001: 品質マネジメント

ISO27001(ISMS): 情報セキュリティ

JIS Q 15001(プライバシーマーク): 個人情報保護

また、貴重資料のデジタル化作業に関しては、文書情報管理の専門資格である公益社団法人日本文書情報マネジメント協会認定の「文書情報管理士」資格保持者(1級以上推奨)が管理者ならびに従事者として作業にあたることが求められます。

文書情報管理士に関する過去の参考記事はこちら↓↓

④ワンストップサービスの提供範囲

「デジタル画像データ作成」から「公開システムの選定(構築・運用)」までを一本化して依頼できる委託業者は非常に心強い存在です。

窓口が一つであれば、プロジェクト全体の意図が共有されやすく、一貫性のある理想的なデジタルアーカイブが実現する可能性が高まります。

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委託業者選びに関する過去の参考記事はこちら↓↓

3. 年度替わりの課題「業務の引き継ぎ」をスムーズに

3月から4月にかけては、人事異動や組織改編が頻発する時期です。

デジタルアーカイブのような長期プロジェクトにおいて、担当者の交代は最大の停滞リスクになり得ます。

これを防ぐには、「情報の整理」と「丁寧な引き継ぎ」が必要です。

①デジタル情報の「整理整頓」

後任者が迷わないよう、進行中のデータやフォルダを整理しましょう。

重複ファイルの削除: 作業用ファイルや不要なコピーを整理します。

フォルダ構造の明確化: 分類基準を整理し、どこに何があるか一目でわかるようにします。 急いで整理を行うと重要なファイルを誤消去する恐れがあるため、余裕を持って進めることが大切です。

②「生きた引き継ぎ資料」の作成

単なるマニュアルではなく、以下の内容を含めた「プロジェクトの現在地」がわかる資料を作成しましょう。

アクセス情報:ファイルの保存場所やシステムのログイン方法(パスワードは別管理が安全)。

プロジェクトの背景と目的:なぜこの資料をデジタル化しているのか、という「意図」。

未完了のタスク:今後予定している作業や、検討が必要な課題。

③対話を通じた「意思の伝達」

書面だけでは伝わらないニュアンスを共有するため、直接の打ち合わせ(オンラインでも可)を設けることが重要です。

言葉で説明し、少しでも後任者の不安を解消しましょう。

この際、後任者からの新たな視点による提案や疑問点が出ることもあります。

これらは既存のプロジェクトを進化させる「貴重な意見」として、積極的に取り入れる姿勢が大切です。

担当者の引き継ぎに関する過去の参考記事はこちら↓↓

4.予算確保と実行のスケジュール

デジタルアーカイブには多額の予算が必要になることも多いため、計画的に予算を獲得することが求められます。

委託業者の多くは、例年秋頃から年度末にかけて繁忙期を迎えます。

年度末に向けて駆け込みで作業依頼が集中することもあり、時期によっては「作業の受け入れを断られる」ケースも少なくありません。

確実にプロジェクトを実行するために、例として単年度でプロジェクトを完結させる場合の大まかなスケジュール案は下記のようになります。

3月:現状把握と対象資料の選定。

4月~5月:委託業者の選定及び相談、詳細な見積を取得。

6月~7月:実行計画の策定と委託業者の決定、契約締結。

8月~2月:作業実施期間

3月:納品

早め早めに委託業者への相談などを行うことで、委託業者における限られた機材や人員を優先的に確保することにも繋がるため、計画通りのデジタルアーカイブを実現する可能性が高まります。

予算獲得するためのデジタルアーカイブ企画書に関する過去の参考記事はこちら↓↓

5.まとめ

デジタルアーカイブは、単なるデジタル画像データの作成ではありません。

過去から引き継がれた貴重な資料を後世に遺す。今まで受け継いできた歴史や文化などの記録を、劣化や紛失のリスクから守り、次の世代、さらに次の世代が活用できるようにするための大事なバトンとなります。

もし、「何から手をつければよいかわからない」「現状を確認して何をすればよいか相談したい」といったお悩みがございましたら、いつでもお気軽に当社へご相談ください。

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Kudou
Kudou
ニチマイの営業担当です。デジアカサイトでは少しでもみなさまのお役に立てるような情報を発信していきたいと思っています。デジタルアーカイブの知識をこれからも日々勉強してまいります。